DEEP PURPLEとRAINBOWでハード・ロックの歴史を切り開いてきた“巨匠”リッチー・ブラックモアが、「中世の吟遊楽隊の音楽を演奏する」という夢を実現したアコースティック・ユニットBLACKMORE'S NIGHT。リッチーの妻である歌姫キャンディス・ナイトをフィーチュアしたこのプロジェクト。
1997年にリリースされたデビュー・アルバム『Shadow of the Moon』は、ディープ・パープルやレインボーでも垣間見ることのできたリッチーのルネサンス期の音楽、そして世界各国の民族音楽への傾倒が、初めてアルバムという形で提示された作品として、ハードロック/ヘヴィメタル・ファンからも大きな注目を浴びた。アコースティック中心ではあるけれどもエレクトリック・ギターも適宜用いられ、そこで聴けるのは唯一無二の“リッチー節”そのもの。デビュー作はドイツにおいて17週間連続チャートインし、ゴールドディスク認定を受けるなど、商業的にも大成功。その後もコンスタントにアルバムをリリースしてきたブラックモアズ・ナイトであったが、15年の『All Our Yesterdays』以降、しばらく新作発表が滞っており、ファンはやきもきしていた。
そんな中、17年にはデビュー20周年を記念し、BLACKMORE'S NIGHTの集大成とも言えるCD2枚組のベスト・アルバム『トゥ・ザ・ムーン・アンド・バック・20イヤーズ・アンド・ビヨンド』をリリース。そしてついに21年春、6年ぶりとなる11枚目のアルバム、『ネイチャーズ・ライト』がリリースされることが発表された。
その新作に先駆けて発表されたのが、『ヒア・ウィ・カム・ア・キャロリング』と題されたクリスマスEP。06年にも『Winter Carols』というクリスマス・アルバムをリリースしているブラックモアズ・ナイトであるが、今回リリースされるのは新たにレコーディングをした完全な新作。日本人にもお馴染みの「きよしこの夜」を含むトラディショナル・クリスマス曲4曲がカバーされている。ブラックモアズ・ナイトらしいルネサンス風味あふれるアレンジメントは、クリスマスの牧歌的雰囲気にぴったりで、聴くものの心を穏やかにしてくれる。