アメリカの伝説的ロック・バンド、ジャーニー。その結成は73年にまでさかのぼる。初期はプログレッシヴな作風を特長としていたが、スティーヴ・ペリー(Vo)の加入後、ポップな作風へと舵を切り、ヒットを連発していく。81年に発表したアルバム『Escape』は、全米チャート1位を獲得。本作収録の「Don’t Stop Believin’」や、83年の名盤『Frontiers』のオープニング・ナンバー、「Separate Ways (Worlds Apart)」などは、ジャーニーの名を知らぬものでも、一度はテレビなどで耳にしたことがあるはずだ。
看板ヴォーカリストだったスティーヴの脱退後も、数度の解散・復活等の紆余曲折を経た彼らだが、バンド創設者の一人であるギタリストのニール・ショーンを核としながら、07年末にはフィリピン人ヴォーカリスト、アーネル・ピネダが加入。
地元フィリピンで報われない音楽活動を続けていたアーネルの人生は、彼がジャーニーのヒット曲「Faithfully(時への誓い)」を歌う映像を、ニール・ショーンがYouTube上で目にしたことによって一転した。彼のきわめて伸びやかな歌唱は往年のスティーヴ・ペリーの歌声かと聴き紛うほどの完璧さで、どの曲を歌ってもオリジナルに忠実で違和感がなく、しかも彼ならではのみずみずしい魅力にあふれている。
17年にはロックの殿堂入り、22年7月には11年ぶりとなるニュー・アルバム『フリーダム』をリリース。22年12月には、21年7月31日、シカゴで行われたコンサートの模様をフル収録した『ライヴ・イン・コンサート・アット・ロラパルーザ』をリリース。大名曲「Separate Ways(Worlds Apart)」を皮切りに、70〜80年代の傑作『Escape』、『Frontiers』、『Infinity』の楽曲を中心とした全20曲が収録されている。