商品説明 DETAIL カダヴァーはドイツのベルリン出身。バンド結成は2010年、クリストフ “ルーパス”リンデマン[vo,g]、フィリップ“マムート”リピッツ[b]、クリストフ“タイガー”バーテルト[ds]というトリオでの活動開始だった。彼らはBLACK SABBATH、PENTAGRAM、HAWKWIND、そして母国ドイツのLUCIFER’S FRIEND、EPITAPH、SECOND LIFE、SCORPIONSといったバンドから影響を受けてバンドを結成、創作活動に取り組むようになった。ただ、ルーパスに言わせると「結成時の理由も動機も特に思い出せない」らしく、「BLACK SABBATHやSCORPIONSの古いレコードはなぜそういう感じに聞こえるのか、タイガーのスタジオのヴィンテージの機材で色々と試していた」というのが初期の彼らがやっていたことだった。その時点でカダヴァーのサウンド・スタイルは決まったのも同然。「俺達はルーツに戻りたかった。3ピースでのライヴ録音だ。あれこれ2年ほどやっているうちに興味深い旅に出るようになったという感じだ」とルーパスは語る。 2012年、彼らは『Tee Pee Records』からセルフ・タイトルのデビュー・アルバム『KADAVAR』をリリース。SAINT VITUS、PENTAGRAM、SLEEP、ELECTRIC WIZARDといった名だたる先輩バンド達とのツアーにも同行、ライヴ活動でも好評を博した。その評判を聞きつけた母国ドイツの大手ヘヴィ・メタル・レーベル『Nuclear Blast Records』が彼らにアプローチ、両者の間で契約がまとまった。『Nuclear Blast』からの世界デビュー作である通算2枚目の『ABRA KADAVAR』は2013年に発表。その後も『Nuclear Blast』との蜜月関係は続き、彼らは同レーベルからライヴ・アルバム『LIVE IN ANTWERP』(2014年)、3rdアルバム『BERLIN』(2015年)、4thアルバム『ラフ・タイムズ』(2017年)、ライヴ・アルバム『LIVE IN COPENHAGEN』(2018年)等々を発表している。なお、『ABRA KADAVAR』発表後にベース奏者のマムートがバンドから離脱したが、彼の後任としてシモーヌ“ドラゴン”ブートルーが加入、その段階で現在まで続いてきたトリオ編成が整った。 このたびリリースされるのは、前作から2年振り、オリジナル作品としては通算5作目となるフル・アルバム『フォー・ザ・デッド・トラベル・ファスト』だ。 彼らの音楽スタイルは、一言で表現するならサイケデリック・ロック、あるいは単にハード・ロックということになるのだろうが、そこにヘヴィ・メタルやパンク/ハードコアのエッジが効いているところがポイントと言える。ルーパスは10歳か11歳の頃にIRON MAIDENやMETALLICAを知ってヘヴィ・メタル・ファンとなり、その後THE DAMNEDを知ってパンク・ロックに入れ込むようにもなった。やがてMAGMAやGONGやHAWKWIND等を知ったことでサイケデリック系にも開眼、前掲のBLACK SABBATH等々の古いハード・ロックと均等に親しむようになった。彼のギタリストとしての重要な影響源はジミ・ヘンドリックス、トニー・アイオミ、そしてリッチー・ブラックモアの3人であり、シンガーとしてはニック・ケイヴ、PENTAGRAMのボビー・リーブリング、フレディ・マーキュリー、そしてフランク・ザッパらを尊敬しているとのこと。タイガーはかつてハードコア・パンク・バンドに在籍していたこともあれば大のBEATLES狂でもある。シモーヌは60年代後期のサイケデリック/プログレッシヴものをメインに聴いてきた人だが、STOOGESやMC5等の元祖パンクで元祖メタルなバンドも通過している。 一筋縄ではいかない多種多様なルーツを自らにインプットしてきた面々がアウトプットする音楽が単細胞的であるはずはなく、万華鏡のような色彩感覚を放つカダヴァー・サウンドを更なる高みに到達したことは本作『フォー・ザ・デッド・トラベル・ファスト』が示すとおりである。 【メンバー】 ルーパス・リンデマン (ヴォーカル/ギター) タイガー・バーテルト (ドラムス) シモーヌ・ブートルー (ベース)