アイルランドが誇るペイガン・ブラック・メタル・バンド、Primordial。92年頃にその名義での活動を開始。当時ちょうどノルウェーを中心にブラック・メタルのムーブメントが台頭していたこともあり、彼らも当初ブラック・メタル色の強いスタイルで演奏していた。2本のデモを発表した後、Dimmu BorgirやCradle of Filthを発掘したカコフォナス・レコードと契約。95年には『Imrama』でアルバム・デビューを果たす。その後アルバムを重ねるごとに、フォーク・メタルへと傾倒。ブラック・メタルとケルト音楽をミックスした、独自のスタイルを築いていった。メタル・ブレイドからのデビュー作となった07年の『To the Nameless Dead』は、フォーク/ブラック・メタルの傑作として名高い作品である。
2023年10月、5年ぶりとなるアルバム『How It Ends』をリリース。10枚目のアルバムとなる本作でも、そのスケールの大きな世界観は相変わらず。ヴァイキング・メタル期のBathoryあたりを思わせる壮大さに、思わず拳を突き上げずにはいられない。哀愁あふれるケルティック・メロディとブラック・メタルの相性は抜群であることを再確認させられるアルバムだ。キャリア30年超のベテランの貫禄を見せつける傑作。