アメリカのヘヴィメタル・バンドというと、明るく楽しくという印象を抱く人も少なくないかもしれない。だが、このナイト・デーモンはそんなステレオタイプなイメージにはあてはまらない、例えばオーメンなどに代表されるダークサイド・オブ・USに属するバンドだ。結成は11年。15年にはドイツのスティームハマーから『Curse of the Damned』でアルバム・デビューを果たす。「夜の悪魔」というバンド名、「地獄に落ちた者たちの呪い」というタイトルからも想像できる通りの、ヨーロッパ的美学を持ったイーヴルなそのスタイルを武器に、多くのファンを獲得。一気に現代ヘヴィメタルの救世主的存在となっていった。17年にはセカンド・アルバム『Darkness Remains』をリリース。近年の正統派ヘヴィメタル再評価の機運の高まりもあり、ナイト・デーモンは大手センチュリー・メディアとの契約を手にする。
2023年にはセンチュリー・メディアからのデビュー作となるサード・アルバム『アウトサイダー』をリリース。大手に移籍しようとも、ナイト・デーモンのポリシーが変わるはずがない。今回もNWOBHMを中心としたヨーロピアン・ヘヴィメタルの香り濃厚な、これぞメタルとしか言いようがない作品に仕上がっている。