2010年、フロントマンのピーター・スティールの逝去により解散してしまったタイプ・オー・ネガティヴ。もともとはカーニヴォアという賛否両論渦巻く過激なスラッシュ・メタル・バンドをやっていたピーターであるが、90年にタイプ・オー・ネガティヴを結成。91年には『Slow, Deep and Hard』でアルバム・デビューを果たす。ブラック・サバスとビートルズから大きなインスピレーションを受けていたと語るピーターであるが、その音楽性はゴシック・メタルとでも言うべきものであり、彼らはメインストリームで大きな人気を獲得していく。93年の『Bloody Kisses』、96年の『October Rust』は、ロックの歴史に残る名盤である。
22年12月にはラスト・アルバム『デッド・アゲイン』を再発。スラッシュ・メタル、ハードコア、ゴシック、ドゥーム、そしてビートルズ。すべてを吸収・消化し、たどりついた境地。ピーター・スティールの魅力的なヴォーカルは、時を経ても一切色褪せない。