イタリアのハロウィンとの異名を持つ、と言うかイタリアのハロウィンとしか言いようがないバンド、トリック・オア・トリート。バンド名からしてハロウィンすぎる訳だが、それもそのはず、そもそも彼らはハロウィンのトリビュート・バンドとしてそのキャリアをスタート。03年のデビュー作は『Italian Helloween Tribute』というライヴ盤なのだ。この作品を聴いてみればわかるが、彼らのハロウィン再現度は異常なまでに高い。そのクオリティの高さでパワー・メタル・ファンから大きな注目を集めた彼らは、06年に『Evil Needs Candy Too』というオリジナル・アルバムをリリース。オリジナル曲がハロウィンよりもハロウィンと言いたくなるような内容だったため、ハロウィン・ファンはもちろん、ヨーロピアン・パワー・メタル・ファンはそのクオリティに脱帽せざるをえなかった。
2021年6月、コンピレーション・アルバム『ジ・アンロックド・ソングス』をリリース。未発表曲、リミックス、デモトラック、アコースティック・バージョンなど、さまざまなレアトラックが詰まった本作は、トリック・オア・トリート入門編としても最適。
2022年4月にはアルバム『クリーピー・シンフォニーズ』をリリース。オリジナル・スタジオ・アルバムとしては『The Legend of the XII Saints』(20年)以来。曲調もヴォーカルも、故意にハロウィンに寄せに行っている以外ありえないレベルでハロウィン。『Keeper of the Seven Keys』のパート1、2あたりが好きなファンなら、懐かしさに涙が出ることだろう。トリビュートもここまで極めれば、唯一無二の個性。ハロウィン・ファンなら彼らの真摯な姿勢に心打たれるはずだ。
2023年12月には、ライヴ・アルバム『A Creepy Night Live』をリリース。日本でも大きな話題となった22年の最新作『Creepy Symphonies』をサポートするツアー模様を収録した本作でも、当然「ハッピー・メタル」を心ゆくまで堪能できる。ヴォーカリストのアレッサンドロ・コンティは、あのTwilight Forceでも活躍する実力者。元Secret Sphere、現Whitesnakeのミケーレ・ルッピもゲスト参加!さらにはSabatonのトミー・ヨハンソンをフィーチャしたクリスマス・シングルも特別収録。