サバトンのギタリストでもあるトミー・ヨハンソン率いるパワー・メタル・バンド、マジェスティカ。00年にレインエクシードという名で結成され、6枚のアルバムをリリース。昨年マジェスティカと改名するとともに、ドイツの大手レーベル、ニュークリア・ブラスト・レコードと契約を果たす。そしてリリースされたマジェスティカ名義でのデビュー・アルバム、『アバヴ・ザ・スカイ』は、ハロウィンやアヴァンタジアといったパワー・メタル・バンド、さらにはエピックなサウンドトラックなどから影響を受けた、まさに「マジェスティック=壮大な」作品であり、ここ日本でもメタル・ファンの間でも大きな話題となった。2020年1月に実現した来日公演は、マジェスティカ名義としては初ライヴだったこともあり、日本のファンにとってはもちろん、バンドにとっても記念すべきイベントとなった。
2020年12月には、チャールズ・ディケンズの名作、『クリスマス・キャロル』に基づいた壮大なコンセプト・アルバム『ア・クリスマス・キャロル』をリリース。パワー・メタルといっても様々なスタイルがあるが、よく知られたクリスマスのメロディが引用されるなど、その明るく楽しくエピックな面が強調されたアルバムだ。オーケストレーション、分厚いコーラス、疾走する楽曲、わかりやすいメロディ。パワー・メタル+ディケンズ+クリスマスという組み合わせのケミストリーは想像以上だ。
2025年2月に発売した、『Power Train』と題された本作も、パワー・メタル・ファンの理想が詰まった仕上がり。彼らのレシピはHelloweenやAvantasiaといった王道バンドという下地に、エピックなサウンドトラックを加えたもの。これらのインスピレーションを混ぜ合わせて出来上がったMajesticaのパワー・メタルが、「マジェスティック」でないはずがない。大合唱必至の分厚いコーラス、疾走する楽曲、キャッチーなメロディ、そしてシンフォニックなオーケストレーション。パワー・メタルと一口に言っても、そのスタイルはさまざまであるが、Majesticaはひたすら明るく楽しくエピックを追求するバンド。これほどパワーをもらえるアルバムはそうそうない。SabatonやHelloweenのファンはもちろん、メタル好きなら必聴の作品だ!