ジャーマン・メタル・バンドのレイジの現ドラマーであるヴァシリオス“ラッキー”マニアトプロスがシンガーを務め、元レイジ、現レフュージのクリス・エフティミアディス(ドラム)を擁するトライ・ステイト・コーナー。友人同士だったギリシャ人のラッキー(ヴォーカル)、クリス(ドラムス)、イオアニス(ブズーキ、ヴォーカル)が中心となって2004年に結成。当初は違う名前だったが、その後、メンバー・チェンジを経て、ブラット(ギター、バッキング・ヴォーカル)、ポーランド人のマルクス(ベース)が加わり、バンド名を変更。2007年に1st EP『CHANGES』でデビューを果たす。この作品でマイナー調のヴォーカル・メロディを軸にしたハード・ロックにブズーキを絡めた音楽を展開した彼らは、続く1stアルバム『ELA NA THIS』(2009年)では、全体的にパワフルかつヘヴィなサウンドとなり、哀愁に溢れたメロディや、ブズーキによるギリシャの民俗音楽的なテイストをより強く打ち出すなど、バンドとしての個性を明確にさせることに成功する。
さらに2ndアルバム『HISTORIA』(2011年)ではヴォーカル・メロディに磨きがかかり、ブズーキもより効果的に取り入れることで、楽曲に深みを与えると、続く3rdアルバム『HOME』(2014年)でもブズーキが存在感を放った楽曲を数多く収録し、メロウなナンバーも配するなど、歌心に溢れた作品に仕上がっていた。こうしてアルバムをリリースする中、これまで450回を超えるライヴを行ない、ヨーロッパではライヴ・バンドとしても定着している彼ら。2018年12月、4年ぶりとなるアルバム『ヒーロー』を発表。ギターのサウンドに重厚感が生まれ、ヘヴィなナンバーからアコースティック・ギターを使ったメロウな曲まで充実した内容になったこの作品は、ラッキーがエモーショナルに歌う叙情性のあるヴォーカル・メロディが実に印象的で、心に響くような味わい深い楽曲が並んでいる。
2019年2月に行われた、レフュージの来日公演にはスペシャル・ゲストとして出演し来日を果たしている。