フォーク/パワーメタル・バンド、Elvenkingはイタリアのサチーレという小さな街で、ヘヴィ・メタルと民間伝承に対する情熱を共有していた2人のギタリスト、AydanとJarpenによって1997年10月に結成された。1998年3月、リードシンガーとしてDamnaがバンドに参加し、デビューから現在へと繋がるラインナップが、ほぼ固まった。地道にライヴを重ねた後、2000年にデモ『To Oak Woods Bestowed』を発表。すると、これが一部のファンの間で話題となり、ドイツのレーベル、AFM Recordsと契約を結ぶことになる。そして世界中の評論家から賞賛を受けたファースト・アルバムが2001年7月23日にリリース。メタル、フォーク、ポップ、プログレッシヴ、クラシックなど、様々なジャンルの音楽からインスピレーションを得て形成されている彼らの音楽には、この時点で独特の味わい深さがあった。ファースト・アルバムのリリース後、たちまちメタル・ファンの間で話題となる。この時点で、その後に通じる彼らのスタイルはすでに確立されていた。
以後、進化しながら8枚のフルレングス・アルバムをリリース。フォーキーなメロディとパワフルなメタルサウンドの融合を基本線に、大きく成長していった。 彼らはその後、ブラインド・ガーディアン、ガンマ・レイ、エドガイといった人気のパワーメタル・バンドとツアー、フェスティバルなどで共演しながら地力を付けていった。
2002年8月、Damnaが健康上の理由からバンドを脱退。Elvenkingの2004年にリリースされたセカンド・アルバム『Wyrd』に彼は参加していないが、2004年後半にDamnaが復帰した。以降も2005年にはバンド創設メンバーのJarpenが脱退するなど、度々メンバーチェンジはあったが、その音楽性はブレることなく現在まで続いている。2014年の『The Pagan Manifesto』では“原点回帰”を果たし、その後にライヴCD+DVD『The Night of Nights』(日本未発売)をリリース。これはベスト盤的な意味合いの強い作品であり、区切りを付けた後となる今回の『Secrets Of The Magick Grimoire』からElvenkingの新章が始まることになる。
Elvenkingの強烈なオリジナリティのひとつとして、自分たちは世界中の民族音楽やダンス・ミュージックの影響を強く受けているバンドだと宣言している点がある。もちろん彼らのスタイルに大きな影響を与えたバンドとして、英国のフォーク・メタルのパイオニア的存在のSkycladが挙げている。しかし、他にもキッス、エアロスミス、クイーンなどのクラシック・ロックから、ディム・ボルギルやカニバル・コープスといったエクストリーム・メタル・バンド、マドンナやマイケル・ジャクソン、レディ・ガガといったポップ・アーティストの名前までを挙げているのである。自分の耳にクールに響くものは、パンクであろうとダンス・ミュージックであろうと、幅広く取り入れ、それを包み隠すことなく公言しているところが非常にユニークである。