2016年、ミス・メイ・アイ、Attila等と共にSharpTone Recordsへ移籍したデトロイトはミシガン出身のメタルコア・バンド、ウイ・ケイム・アズ・ロマンス。
彼らは2005年に前身バンドとなるThis Emergencyを結成。メンバーチェンジをしながら翌年に現在のバンド名へと変更する。2008年にEP『Dreams』、4曲入りミニアルバム『Demonstrations』を自主リリース。以来、できる限り多くの時間をツアーに費やすことによりバンドは地力をつけていく。2009年4月に大手インディーズ・レーベル、EQUAL VISIONと契約を結び、同年11月にデビューアルバム『To Plant a Seed』を発表。すると、いきなり全米アルバム・チャートトップ200で初登場175位を記録した。続く『Understanding What We've Grown To Be』(2011年)はチャート21位と躍進。評判の連鎖は止まることなく、サード・アルバム『Tracing Back Roots』(2013年)は、8位まで上昇(USインディ・チャート1位)、4th『We Came as Romans』(2015年)は11位(USインディ・チャート2位)と結果を出し続け、もはや全米でその名を知らぬロック・ファンはいない存在となった。
ウイ・ケイム・アズ・ロマンズの成功、その最大の要因はツアーに次ぐツアーによってその名が全米で知れ渡ったことに加え、生み出す楽曲レベルの高さ、ハイセンスなバランス感覚にもある。スケールの大きなメタルコアとも言える彼らの音楽は、ハードコア的スケール感を呑み込んだメタリックでアグレッシヴなサウンドに、エレクトロ・テイストを盛り込むことによって独自の叙情性が生まれているのが特徴。そしてメロディアスなヴォーカルによってフックが加味されることによって適度なポップをも感じさせる。
2016年にドラマーのEric Choiが“人生のネクストチャプターに移る”ことを理由に脱退。それまでアルバム4枚すべてに参加してきたメンバーの脱退を乗り越え、同年に発表した楽曲「Wasted Age」は原点回帰したかのようなヘヴィな楽曲で、ニューアルバムへの期待を高まらせた。
そして2017年11月に発表されたのが5枚目にして移籍第一弾となる完全スタジオ・フルレングス・アルバム『コールド・ライク・ウォー』である。キャッチーで美しく壮大な純度の高い、極上のメタルコア・サウンドの詰まった作品だ。