シンフォニック・メタルの雄、セレニティはマリオ・ヒルジンガー(key:当時はvoも兼任)を中心に2001年にオーストリアのチロル州にあるヴェルグルにて結成された。2002年にデモCDをリリースするも、2003年にマリオとアンドレアス・シップフリンガー(ds)以外のメンバーが脱退してしまい、バンドは解散状態となってしまう。しかし、バンド再編を目指したマリオを中心に、アンドレアス、ゲオルグ・ニューハウザー(vo)、トマス・ブッフベルガー(g)、サイモン・ホルスネヒト(b)というラインナップでシーンに復活を果たした。
2004年の8月にDIOのサポートをしたことを切っ掛けに注目の存在となり、同年にリリースのデモCDの評価も高く、その認知度を上げていく。いくつかのレーベルからオファーを受けたが、その中でも特に強いアプローチをかけてきた地元オーストリアを拠点とする『Napalm Records』と契約、2007年にデビュー・アルバム「WORDS UNTOLD & DREAM UNLIVED」をリリースする。THRESHOLD、KAMELOTやADAGIOといったバンドとヨーロッパを中心にツアーという多忙なスケジュールの中レコーディング作業も進め、翌2008年には早くも2ndアルバム「FALLEN SANCTUARY」をリリースしている。2010年にサイモンが脱退、トーマスがベースも兼任して2011年に3rdアルバム「DEATH&LEGACY」をリリースしている。このアルバムでは当時SIRENIAのヴォーカルであったアイリン他、女性ヴォーカルがゲスト参加したことも話題になった。
2011年に新ベーシストとしてファビオ・ダモアが加入、2012年にはProgPowerフェスティバルに出演と活動も順調になったと思われていた彼らであったが、ここでバンド創始者であるマリオが脱退してしまう。そのまま解散してしまうのではないかといった噂も流れたが、バンドは活動継続を発表、新メンバーとして何と女性ヴォーカリストのクレモンティーヌ・ドロネーを加入させ、2013年に4thアルバム「WAR OF AGES」をリリース。男女ツイン・ヴォーカルの新体制となったバンド、そしてこのアルバムは高い評価で迎えられた。しかし、クレモンティーヌは2015年に脱退、彼らは再びゲオルグの単独ヴォーカル・スタイルに戻り、2016年に5thアルバム「CODEX ATLANTICUS」をリリースしている。このアルバムはレオナルド・ダ・ヴィンチをテーマにしたコンセプト・アルバムであることも話題になった。
2017年には第3回十字軍を率いたイングランド国王、リチャード1世をテーマにした6thアルバム『LIONHEART』、2020年には神聖ローマ皇帝マクシミリアンI世の生涯をテーマにした7thアルバム『THE LAST KNIGHT』をリリース。コンセプト・アルバムというスタイルが定着している。