ダゴバはフランス・マルセイユ出身の、グルーヴ/インダストリアル・メタル・バンド。2017年5月に初来日し、その興奮をまだ覚えている方も少なくないだろう。その結成は97年にまでさかのぼる。99年に『Time to Go』というデモ、01年に『Release the Fury』というEPをリリースした後、03年にバンド名を冠した『DAGOBA』でアルバム・デビュー。隣国ドイツなどと比べると、メタルが盛んとは言えないフランス出身の彼ら。だがそんなハンディキャップをものともせず、パンテラやマシンヘッド、フィア・ファクトリー、ストラッピング・ヤング・ラッズといった、主に北米のメタル・バンドから影響を受けたグル―ヴィーでヘヴィ、かつキャッチーなそのサウンドは、ヨーロッパで大きな反響を呼んだ。06年のセカンド・アルバム『What Hell Is About』、08年に3枚目となる『Face the Colossus』をフランスの名門、Season of Mistからのリリース後、XIII Bis Recordsへと移籍。10年に4thアルバム『Poseidon』を発表すると、今度はVerycordsへと移り、5枚目の『Post Mortem Nihil Est』(13年)と6枚目の『Tales of the Black Dawn』(15年)をリリース。また14年には地元フランスの超大型フェス、Hellfestにも出演を果たす。
そして17年、フランス国内はJive/Epic、その他はCentury Media Recordsと契約という大飛躍を遂げて7枚目のアルバム『ブラック・ノヴァ』がリリースされた。前年には、ドラムとギターがまとめて脱退、特にドラムは98年から20年弱、苦楽を共にしてきたメンバーだ。その脱退劇は、バンドにとって大きな衝撃をもたらしたに違いない。大手レーベルとの契約、そして新たな2人のメンバーの加入。『ブラック・ノヴァ』は、ダゴバ結成20年目の作品ではあるが、それと同時に新たな第一歩を示している。