メタル・アリージェンスは、音響機器メーカー『Samson Technologies』のディレクターであるマーク・メンギーが、2011年にカリフォルニア州にて催した無料イベント『Metal Masters』に端を発している。MEGADETHのデイヴィッド・エレフソンとANTHRAXのフランク・ベロのベース・クリニックをメンギーが企画したのだが、そこに元DREAM THEATER〜現WINERY DOGS、SONS OF APOLLOのマイク・ポートノイやANTHRAX のチャーリー・ベナンテが加わり、ANTHRAXやMEGADETHの曲を演奏するセッション・ショウへと発展したのだった。やがて『Metal Masters』は不定期ながらも散発的に行なわれるシリーズ・イベントとなり、SLAYERのケリー・キング、元PANTERA〜DOWN他のフィリップ・アンセルモ、ANTHRAXのスコット・イアン、MR.BIG、WINERY DOGS等のビリー・シーン、EXODUSやSLAYERのゲイリー・ホルト、当時SLAYERのデイヴ・ロンバード、TESTAMENTのチャック・ビリー、そしてスティーヴ・ヴァイらも加わるようになった。
イベント・コーディネイターのマークは、やがてこの『Metal Masters』をレコーディング・プロジェクトとして機能させることも計画、果たして結成されたのがスーパー・プロジェクト・バンド、 メタル・アリージェンスである。
2015年、TESTAMENTのアレックス・スコルニック、デイヴィッド・エレフソン、マイク・ポートノイという3人の核となるメンバーで作曲を開始、マーク・メンギーがエグゼクティヴ・プロデューサーとして関与する形でレコーディング、そして完成したのが同年発表のMETAL ALLEGIANCEとしてのファースト・アルバム「メタル・アリージェンス」だった。
同作については上記のトリオ・バンドを主軸とし、楽曲毎にゲスト・シンガー/ミュージシャンが加わるという形で録音を実施、フィリップ・アンセルモ、ゲイリー・ホルト、チャック・ビリー、LAMB OF GODのランディ・ブライ、MASTODONのトロイ・サンダース、元PANTERAのレックス・ブラウン、MACHINE HEADのフィル・デンメル、DEATH ANGELのマーク・オセグエダ、SEPULTURAのアンドレアス・キッサー、LACUNA COILのクリスティーナ・スカビアといった錚々たるミュージシャン達が参加、その顔触れの豪華さもあってメタル・アリージェンスは瞬く間に現代メタル・シーン注目の的となった。彼らはそれぞれのスケジュールが許す限りライヴ活動にも積極的に打って出ることを表明、その活動の中には『LOUD PARK 15』への出演もあった。
メタル・アリージェンスの面々はそれぞれのメイン・バンドの活動の合間を見て作曲と録音を継続、そして2018年に完成したのが、セカンド・アルバム『ヴォリュームⅡ〜パワー・ドランク・マジェスティ』である。現代アメリカの混沌を題材とした本作には、OVERKILLのボビー“ブリッツ”エルズワース、ACCEPTのマーク・トーニロ、ARMORED SAINTのジョン・ブッシュ、AMON AMARTHのヨハン・ヘッグ、SOULFLYやCAVALERA CONSPIRACYのマックス・カヴァレラ、BLACK DAHLIA MURDERのトレヴァー・ストルナド、MASTODONのトロイ・サンダース、DEATH ANGELのマーク・オセグエダ、NIGHTWISHのフロール・ヤンセンといったリード・シンガー達が参加、前作に勝るとも劣らない多様性を備えた、そしてMETAL ALLEGIANCE(=メタルの忠誠)という呼称に相応しい強靭な仕上がりとなった。