世界的な人気バンドであるデフ・レパードのギタリスト、ヴィヴィアン・キャンベルは、並行してラスト・イン・ライン、そしてこのリヴァードッグスでも音楽活動を行っている。
北アイルランド、ベルファスト出身のギタリスト、ヴィヴィアン・キャンベルは1978年にスウィート・サヴェージを結成し、1981年にシングル「テイク・ノー・プリズナーズ」など2枚のシングルを自主制作でリリースしてキャリアをスタートさせる。1983年にはブラック・サバスを脱退したロニー・ジェイムス・ディオが新たに結成したバンド、ディオに加入。3枚のオリジナル・アルバムに参加して、一躍ギターヒーローとなる。1987年にはホワイトスネイクの「スティル・オブ・ザ・ナイト」のMVに出演し、エイドリアン・ヴァンデンバーグとのツイン・ギター編成でツアーに参加するも、レコーディングには不参加のままバンドを脱退する。ちょうどその頃、リヴァードッグスのプロデュースを依頼されたヴィヴィアンは、最終的にこのバンドのギタリストして参加することになった。
贅肉を削ぎ落としたシンプルでストレートな質感のハード・ロックが、リヴァードッグスのサウンドである。デビュー作『リヴァードッグス』が発表されたのは1990年のこと。当時のロック・シーンは“バック・トゥ・ルーツ”を志向するミュージシャンが続出しており、リヴァードッグスの音楽性はそんな時代の空気が反映されたかのようなロックを演奏するバンドだった。このサウンドに感化されたヴィヴィアンは加入を決意。プレイスタイルも初期のピッキングハーモニクスを多用した荒々しいプレイからやや落ち着いたスタイルに移行、懐の深さをみせた。アルバムの評判も良く、2004年にはリマスター再発されており、今なお傑作として語り継がれている。
ところがヴィヴィアンはバンドをすぐに脱退、ルー・グラム(元フォリナー)と共にシャドウ・キングを結成し、アルバムを1枚リリースする。1992年からデフ・レパードのツアーに参加した後、正式メンバーとなり現在に至っている。ヴィヴィアン脱退後のリヴァードッグスは、『Absolutely Live』(1992)、『Bone』(1993)をリリースするも、活動は縮小し、自然消滅となった。しかし2003年、リヴァードッグスのメンバーが再び合流。リリースまでの時間はかかったが、2011年には『World Gone Mad』を発表。そして2017年には、あの傑作1stアルバムのレコーディング時の4人が、通算4作目のスタジオ・アルバムとなる『カリフォルニア』を発表している。