ホワイル・シー・スリープスは、イギリス中部の工業都市シェフィールドを拠点とする当代気鋭のメタルコア・バンド。
2006年に結成された当初はジョーダン・ウィドーソン(vo)というフロントマンを擁して活動していたが、2009年に彼が脱退したことを受け、新たにローレンス・テイラー(vo)が加入、これによりマット・ウェルシュ(g,vo)、ショーン・ロング(g)、アラン・マッケンジー、アダム・サヴェージ(ds)から成る不動のラインナップが完成する。
この布陣で2010年にEP『ザ・ノース・スタンズ・フォー・ナッシング』を発表したバンドは、ほどなく同郷の先達ブリング・ミー・ザ・ホライズンに抜擢され彼らのツアーに同行、そのエナジェティックなライヴ・パフォーマンスでも大いに話題を集めることとなる。そしてその追い風は、2012年(日本では翌2013年)に発表されたデビュー・アルバム『ディス・イズ・ザ・シックス』で意気揚がる5人をさらに強く後押しすることとなった。
老舗音楽誌『KERRANG!』が主催するアワードで“最優秀新人賞”の栄冠に輝くなど各方面より好意的な評価を得た面々は、母国の『DOWNLOAD FESTIVAL』や北米の『VANS WARPED TOUR』、日本の『ACROSS THE FUTURE』をはじめとする世界各地のイベントやフェスティヴァルでも素晴らしく気を吐き、ホワイル・シー・スリープスの名前を強烈に拡散させていく。……が、まさにそんな折、ローレンスの喉が限界を迎えてしまう。
最終的にいくつかのショウをキャンセルせざるをえないほど喉の状態を悪化させていたローレンスは、まもなく手術を受けて見事に復活、回復を待って制作した2ndアルバム『ブレインウォッシュト』(2015年)で、かつてよりパワフルにカラフルに進化したヴォーカル・スキルを印象付けることに成功する。そしてバンド自身もまた、さらに多彩に幅を広げたこのアルバムで前作からの確かな音楽的成熟をはっきりと主張したのだった。
この作品を引っ提げてキャンサー・バッツとのヘッドライン・ツアーや『VANS WARPED TOUR』への出演を果たし、ホワイル・シー・スリープスが力強く前進し続ける不屈のバンドであることを自ら証明してみせた5人。彼らの燃えるようなガッツと瑞々しい情熱は、およそ2年ぶりとなる3枚目のアルバム『ユー・アー・ウィ』(2017年)にも熱く強く息づいている。
2019年には4枚目のアルバム『So What?』、2021年には5枚目のアルバム『Sleeps Society』をリリース。さらに、アルバムと同名のファン・コミュニティ"Sleeps Society"を立ち上げ、様々なコンテンツの提供を開始するなど、活動の幅を広げている。