テンサイドは、圧倒的なエネルギーと情熱的なライヴ・パフォーマンスが評判を呼び、すでに本国ドイツではAtreyu、36 Crazy Fists、Darkest Hour、Emil Bulls、Skindred、Soulflyといった大物バンドたちとのツアーを経験済みである。さらに世界最大級のメタルフェス、ヴァッケン・オープン・エアを筆頭に、サマー・ブリーズ、ウィズ・フル・フォース・オープン・エア・フェスティバルといったドイツのメタルフェスにも軒並み出演を果たしているという実力派だ。
現在のメンバー4人のうち、結成時からのメンバーはフロントマンでギターも担当しているダニエルただひとり。ギターのマイケル・クリンゲンベルクはバンドが劇的な成長を遂げた前作『NOVA』(2013年)からの在籍となる(ちなみに『NOVA』のプロデューサーはOne Ok Rock、Dir en greyといった日本のバンドの作品も手掛けたTue Madsen)が、ベースは2019年、ドラムは2018年にメンバー交代している。
2017年リリースの6thアルバム『コンヴァージェンス』は、ファンからの熱いリアクションもあり、ドイツのメタル/ロックチャートでは、KREATOR、Dropkick Murphys、You Me At Six、Annisokayなどに続いて11位を記録した。プロデューサーは、フロントマンのダニエルとギタリストのマイケル、共同プロデューサーとして、エレクトロ・メタルコア/ポスト・ハードコアバンドのAnnisokayのギタリストChristoph Wieczorekが制作に加わっている。2020年には7thアルバム『Glamor&Gloom』をリリースしている。
独創的な世界観をもつHeaven Shall Burn、CALIBANらに続くジャーマン・メタルコア・シーンの新星となるポテンシャルを秘めたテンサイド。こんな逸材がドイツにいたのかという驚きと共に、今後日本でも注目が集まることは間違いだろう。「たしかにテンサイドの方向性はメタルコアに近いかもしれないけど、一般的なメタルコア・バンドとおもわれたくない。これまで吸収してきたスラッシュ・メタルやオールドスクールなメタルの要素を積極的に取り入れているからね。処々にいるような個性のないメタルコア・バンドと俺たちは違う!」と、フロントマンのダニエルが、力強く何度も口にする言葉だ。
鉄を溶かし、岩を砕く屈強なる信念を持つテンサイド、メタルコア・シーンの地殻変動を起こす可能性を秘めたバンドの登場だ。