2012年、サバトンからリカード・サンディアン(ギター)、ダニエル・ミール(キーボード)、ダニエル・ムルバック(ドラムス)、オスカー・モンテリオス(ギター)の4人が脱退したことは、メタル・シーンに激震をもたらした。彼らはライオンズ・シェア〜アストラル・ドアーズのシンガーであるニルス・パトリック・ヨハンソンを迎えてシヴィル・ウォーを結成、メタルの大海原へと乗り出していった。(なおサバトンとの別離は友好的なもので、『サバトン・オープン・エアー』フェスに出演するなど交流は続いている)
バンド結成から間もなくEP『Civil War』でデビューを果たした彼らは、ファースト・アルバム『The Killer Angels』(2013)がスウェーデンでゴールド・ディスク(2万枚のセールス)を獲得。一躍、ヨーロッパのパワー・メタル戦線における最重要バンドのひとつとなった。
アメリカ南北戦争(Civil War、1861-1865)からバンド名を取った彼らは、アメリカの歴史小説家マイケル・シャーラとその息子ジェフ・シャーラの小説をコンセプトにしたアルバムを発表。『The Killer Angels』(2013)、『Gods And Generals』(2015)は高い評価を得たが、シャーラの“南北戦争三部作”の完結編を“原作”にして、バンドにとっても一大転機となったのが、2016年に発表した『ザ・ラスト・フル・メジャー』である。
彼らの作品は、銃弾が飛び交うような緊張感とアドレナリンに満ちている。誇り高き戦いがいよいよ最終局面を迎え、シヴィル・ウォーがその音楽性を確立させる。