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1981年にデンマークのホーセンスで、ケン・ハマー(g)が中心となって結成されたプリティ・メイズ。ヴォーカルとしてロニー・アトキンス(vo)を迎えたバンドは、1983年にインディー・レーベルからEP『プリティ・メイズ』をリリースすると、イギリスで注目を集め、メジャーの『CBS』レコードと契約が成立。1984年に1stフル・アルバム『レッド・ホット・アンド・ヘヴィ』でデビューを果たす。
北欧のバンドらしい哀愁を感じさせるヴォーカル・メロディを軸にしたメロディックなヘヴィ・メタル・ナンバーがヨーロッパで高い評価を得ると、2ndアルバム『フューチャー・ワールド』(1987年)は日本のメタル・ファンの間でも大きな話題となる。さらに3rd『ジャンプ・ザ・ガン』(1990年)を挟んでリリースした4th『SIN-DECADE』(1992年)からシングル・カットしたジョン・サイクスのカヴァー「プリーズ・ドント・リーヴ・ミー」が日本でも大ヒットを記録。その後、バンドは90年代はほぼ2〜3年に一度のペースで来日公演を実現させるほど、日本とは密接な関係を築くことに成功する。
しかし、10thの『プラネット・パニック』(2002年)をリリース後、プロモーションを請け負っていた会社の倒産、ケンが心臓病を患ったことで、バンドは活動を休止。その後、ケンが回復したことで活動を再開させたバンドは、11th『ウィエク・アップ・トゥ・ザ・リアル・ワールド』(2006年)をリリース後、再び精力的にアルバム制作とライヴを行なうようになり、2012年11月には約10年ぶりの来日公演を実現させる。その後も13th『マザーランド』(2013年)、既発曲の再録音源と新曲を収録した企画アルバム『ラウダー・ザン・エヴァー』(2014年)をリリースした彼らは、2015年に『LOUD PARK 15』に出演。2016年には結成35周年を迎え、15thアルバム『キングメーカー』を発表。2017年5月には来日公演を実施している。
2019年10月、ロニー・アトキンスが肺がんであることを告白。治療に集中するため、2020年1月末までに予定していた全公演をキャンセルすることを発表した。時を同じくして、11月には16thアルバム『アンドレス・ユア・マッドネス』をリリース。前作の制作中に加入、レコーディングではプレイしなかったキーボード奏者/ギタリストのクリス・レイニーがレコーディングに全面参加している。
2020年5月、名盤『フューチャー・ワールド』(1987年)発売30周年を記念し、2018年に川崎CLUB CITTA'で行なわれた完全再現ライヴ『Back To The Future World–30th Special Maid In Japan–』から、初日11月17日の模様を収めた映像作品『メイド・イン・ジャパン』をリリースした。
2020年10月、ロニー・アトキンスはがんの再発とステージ4であることを公表している。