2004年にメルボルンで結成されたベラコールは当初アット・ザ・ゲイツなどから影響を受けたというが、約1年のあいだ外界から隔離されてリハーサルを積むことで、異形の変貌を迎えることになる。
バンドは自らの音楽性について“メロディック・デス・メタル”という表現を使っているが、それは我々の知るメロディック・デスとは一線を画するもので、メロディとデス・ヴォイスをフィーチュアしながらも、北欧ともアメリカとも異なったスタイルを確立。よりダークでプログレッシヴな世界観を築き上げている。
2007年にアルバム『The Frail Tide』でデビューを果たし、2作目の『Stone’s Reach』(2009)は本国オーストラリアのみならずヨーロッパ、ロシアでリリース。3作目『Of Breath And Bone』(2012)はアングラやドラゴンフォース、アモン・アマース、オーペス、カタトニアなどを手がけてきたイェンス・ボグレンがミックスを担当するなど、作品ごとに世界侵攻を進めてきた。
2016年には、彼らが「最も豊かで、幾重にも織り成されたサウンド」と語るアルバム『ヴェッセルズ』をリリース。約1年をかけて創り出した本作の音楽性について、バンドは「ベラコールのファンだったら馴染みのある要素と、驚かせる要素」を兼ね備えていると説明する。
2021年10月には、5作目『コヒーレンス』をリリース。10分超の大曲からスタートする本作は、前作以上にプログレッシヴかつメロディック。その壮大な世界観を作り出す手段として曲の長さ、プログレッシヴさが使用されているため、聞きにくさは皆無どころか、聞き手はあっという間にベラコール・ワールドに取り込まれてしまう。