1991年にストックホルムで結成したカタトニアは、デス/ドゥーム・メタル・バンドとして『Dance Of The December Souls』(1993)でデビューを果たしたが、徐々にデス・ヴォイスを排除。クリーンなヴォーカルをフィーチュアした耽美的かつプログレッシヴな方向へと向かっていった。そして『Dead End Kings』(2012)を発表後、彼らはさらに大胆な音楽の旅路へと赴く。ヘヴィネスとアンビエンスが理想的な融合を経たこの作品は世界的に高い評価を得たが、彼らは続いて同作を全曲アコースティック・アレンジした『Dethroned & Uncrowned』(2013)をリリース。さらに同作の世界観をさらに押し進めたアルバム/映像作品『Sanctitude』(2015)ではロンドンの教会での、ロウソクの灯りに照らされた荘厳なライヴ・パフォーマンスを披露した。
2016年には10thアルバム『The Fall of Hearts』をリリース、本国スウェーデンのみならずドイツ、フィンランドなどのヒット・チャートで大躍進。ヨーロッパのメタル・シーンを席巻している。
2018年、 “バンドのあり方を再考する”と活動休止を宣言してファンを心配させた彼らだが、1年のインターヴァルを経てライヴ活動を再開。2020年、4年におよぶ魂の彷徨を経てさらにディープで神秘的な11thアルバム『City Burials』を引っ提げて還ってきた。
23年1月に3年ぶりとなるニュー・アルバム『スカイ・ヴォイド・オブ・スターズ』をリリース。ナパーム・レコード移籍第一弾となる本作も、「星のない空」というタイトル通りの内容。この作品ついて、バンドのブレインであるアンダースも、「失われ、2度と見つからないもの、決して手が届かない領域への憧れから生まれたものを凝縮し、カタトニアらしいサウンド、言葉で提示した」と、非常に詩的な表現で語っている。北欧の冬の長い夜を思わせる陰鬱だが美しい世界。これぞダーク・アート、これぞメランコリック・メタル。