クイーンズライクの名作『オペレーション:マインドクライム』(1988年)から名付けられたこのプロジェクトは、バンドではなく、共通のゴールを達成するために集まった同志による音楽的なプロジェクトだ。
2015年9月に発表されたデビュー作『ザ・キー』でプレイしているのは、、メガデスのデイヴィッド・エレフソン(b)、ディスターブドのジョン・モイヤー(b)、リンチ・モブやホワイトスネイク、ザ・デッド・デイジーズも在籍していた、ブライアン・ティッシー(ds)、クイーンズライク名義の『フリークエンシー・アンノウン』に参加していたケリー・グレイ(g)とランディ・ゲイン(key)、元AC/DCのサイモン・ライト(ds)、ジェフのソロ・アルバム『ジェフ・テイト』(2002年)に参加していたスコット・モートン(g)といったメンバー。2016年9月に発表された2作目では、加えて元ジューダス・プリーストのティム“リッパー”オーウェンズ(vo)と、元アイアン・メイデンのブレイズ・ベイリー(vo)も参加。プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・シーンの先駆者であるジェフ・テイトの素晴らしい歌唱と、強力なミュージシャンたちによる表現力の高い演奏や歌声が堪能できる。
脅威のハイトーン・ヴォイスを武器に、80年代にクイーンズライクを最高峰のヘヴィ・メタル・バンドへと導いたジェフ・テイトだが、彼がここに辿り着くまで紆余曲折があった。2012年にクイーンズライクを解雇された彼は、クイーンズライク側に対して不当解雇やバンド名の権利をめぐる訴訟を起こす一方で、クイーンズライク名義でアルバム『フリークエンシー・アンノウン』(2013年)をリリース。『オペレーション:マインドクライム』の発売25周年ツアーも実施したものの、両者は2014年に和解し、クイーンズライクの名前は本家の方に帰属することになる。そこで、新たな道を進むことを余儀なくされたジェフが立ち上げたのが、このオペレーション:マインドクライムである。