イギリスのハードロック・バンド、Lionheart。その結成は1980年にまでさかのぼる。オリジナル・ヴォーカリストであるジェス・コックスと、Iron Maidenを脱退したデニス・ストラットンが、後にマイケル・シェンカー・グループで活躍することになるスティーヴ・マンへ声がけをしたことで、その歴史は始まった。バンドは1984年に1stアルバム『Hot Tonight』をリリース。時の流行を意識したAOR調の楽曲は評判を呼ぶも、1986年に解散。デニスはIron Maiden時代の旧友であるポール・ディアノの活動へ合流。スティーヴ・マンもマイケル・シェンカー・グループへと参加し、メンバーらは異なる歩みを始める。
だが、解散から30年もの月日が流れた2016年、Lionheartは突如イギリスのフェスティバルに出演。一夜限りのライヴに手応えを覚えたメンバーたちは、正式に再結成を決意する。
それ以降、数年に一度のペースでアルバムを制作してきた彼らが、2024年2月に新作『The Grace of a Dragonfly』をリリース。お馴染みのAOR調の楽曲を中心に構成された本作。現在バンドの顔を務めるリー・スモールの熱唱が、ドラマチックに楽曲を盛り上げる。もちろん、デニス・ストラットンによるIron Maiden風ギター・ソロも健在だ。ヘヴィメタル然としたギターが彩るメロディアス・ハード・ロックの世界観は、Praying Mantis、Survivor、Pride of Lionsあたりのファンにオススメ。