商品説明 DETAIL 2011年から2012年にかけて行われた“ファイナル・スティング”ワールド・ツアーは、彼らにとって最後のツアーとなる筈だった。この模様をひとつの軸としながら、多角的にバンドの素顔に斬り込んでいく。 1973年、初のテレビ出演時の「ディス・イズ・マイ・ソング」(ギターはウリ・ジョン・ロート)、デビュー・アルバム『ロンサム・クロウ』から「アイム・ゴーイング・マッド」ミュージック・ビデオ、1978年の初来日公演のオフショット、1983年のUSフェスティバルでの37万5千人の大観衆を前にしたライヴ・パフォーマンスなどを見ることが出来る。 さらに本作では激動の時代の中のスコーピオンズが描写されている。1988年、西側のロック・バンドとしては初めてソ連で大規模なライヴを行った彼らだが、1989年のモスクワ・ミュージック・ピース・フェスティバルにも出演。1989年、ベルリンの壁の崩壊も含む時代の変動を歌った「ウィンド・オブ・チェンジ」は全世界で1,400万枚という空前のヒットを記録した。ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領のインタビューが本作に収録されていることからも、スコーピオンズというバンドの歴史的重要性が浮き彫りになってくる。 さらに1年半におよぶ“ファイナル・スティング”ワールド・ツアーからもツアー前の記者会見から北米、ヨーロッパ各国、タイのバンコク、世界最大のメタル・フェス『ヴァッケン・オープン・エアー』、ミュンヘンでのラスト・コンサートの模様も見ることが可能だ。大会場を埋めつくす観衆の前で披露される「ハリケーン」「スティル・ラヴィング・ユー」「ホリデイ」など名曲の連続は、ハード・ロック史に残るスペクタクルの数々だ。 クラウス・マイネ(ヴォーカル)、ルドルフ・シェンカー(ギター)、マティアス・ヤプス(ギター)らメンバー達のインタビューも収録されており、大舞台を前にした心情や、さまざまな秘話が明かされる。インターナショナルな活動を行ってきた彼らゆえ、英語でインタビューに応じることが多いが、本作ではドイツ語で語っており、母国語ゆえの深く掘り下げたトークを聞くことが出来る。 ルドルフの弟であるマイケル・シェンカーや ハーマン・ラレベルなどの元メンバー、バンドの1970〜80年代の創造的なピークを支えてきたプロデューサーのディーター・ダークス、『蠍魔宮〜ブラックアウト』(1982)ジャケット・アートを手がけた画家ゴットフリート・ヘルンヴァインらの関係者、ポール・スタンレー(キッス)、アンダース・フリーデン(イン・フレイムス)、アレックス・スコルニック(テスタメント)、ドン・ドッケン(ドッケン)らのミュージシャン仲間、そしてウラジミール・クリチコ(ボクシング世界チャンピオン)らもスコーピオンズを語っている。 監督のカーチャ・フォン・ガルニエはドイツの女流映画監督。『バンディッツ』(1997)が第10回ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞するなど、世界的に評価されており、好調なペースでバンドの50年をまとめ上げている。 スコーピオンズは解散を撤回、2015年にアルバム『祝杯の蠍団〜リターン・トゥ・フォーエヴァー』を発表し、ワールド・ツアーも行うことが発表された。ひとつの時代を締めくくり、新たな旅立ちを祝うのがこの映像ドキュメンタリーなのだ。