商品説明 DETAIL この作品に興味を持った方に、ポール・ディアノが誰であるかを説明する必要はないだろう。『Iron Maiden』、『Killers』というヘヴィメタル、いやロックの歴史に残る名盤2枚のヴォーカルを務めるという栄光に浴したものの、その生き様はまさにロッカーのそれ。ブルース・ディッキンソンとは対照的なパンキッシュで荒々しい歌いっぷりは、ドラッグと暴力に彩られた彼の人生そのものであるとも言える。 だが、アイアン・メイデンはもちろん、ディアノ、バトルゾーン、キラーズなど、彼のかかわった様々なバンド、プロジェクトの功績は、決して軽んじられるべきではない。パンクとヘヴィメタルの融合とでも言うべきアイアン・メイデンの最初の2枚のアルバムがなければ、その後のエクストリーム・メタルの流れが違ったものになったであろうことは、想像に難くない。ポール・ディアノ期のメイデンこそ至高とするミュージシャン、ファンも少なくないのだ。 この度リリースされるのが、『ヘル・オーヴァー・ヴァルトロップ - ライヴ・イン・ジャーマニー』。その名の通り、収録されているのは、06年8月27日、ドイツのヴァルトロップにて行われたフェスティヴァルにおけるライヴ模様である。録音はしたもののさまざまなテクニカル・トラブルにより、お蔵入りになっていた本作。それが今回、現代のディジタル・テクノロジーの力によって、14年ぶりに日の目を見ることになったのだ。ポール・ディアノは地元のミュージシャンを起用し、アイアン・メイデンの初期ナンバーをプレイするというライヴを数多く行ってきたが、これも同じケース。ここでバックを務めたのは、Re-Visionというドイツのパワー・メタル・バンドだ。彼らはThe Phantoms of the Operaというメイデン・トリビュートもやっていただけあり、アイアン・メイデン・ナンバーはお手のもの。ディアノの歌唱にも、一切の衰えは感じられないどころか、さらなる凄みが加わっている。オリジナルよりもテンポアップしていることもあり、メタルファンならアドレナリンが出まくること間違いなしの素晴らしいライヴだ。このフェスティヴァルは、ディスコ・ユニットなども出演するいわゆる「普通の」街のフェスティヴァルだったらしい。しかし、「プローラー」、「モルグ街の殺人」、「聖地へ」といった名曲の数々が見事に再現されていくうちに、「参加者全員がメタルヘッドに豹変した」とのだそう! ポール・ディアノは13年には膝の怪我を理由に引退を発表したが、翌年に撤回。だが再び、今年の8月30日にイギリスで行われるビアマゲドン・フェスティヴァルでのパフォーマンスが、最後のステージになるとアナウンスしており、今後その雄姿を日本では見られる可能性は低そうなのだ。そういった意味でも、本作は貴重なドキュメントとなることだろう。 【メンバー】 ポール・ディアノ (ヴォーカル) アンディ (ギター) D.D. (リズムギター) ゴンゾ (ベース) ドム (ドラムス)