商品説明 DETAIL カナダが生んだプログレッシヴ・ヘヴィ・ミュージックの奇才、デヴィン・タウンゼンドの新たな挑戦の場。それがカジュアリティーズ・オブ・クールである。 こんな紹介の仕方をすると、多作かつ多様な作風で知られるデヴィンが、またもやカテゴライズ不能な実験的プロジェクトを始動させたものと解釈されるかもしれない。いや、ある意味エクスペリメンタルで既存のジャンルからはみ出しているのは事実なのだが、カジュアリティーズ・オブ・クールの音楽は、いわゆるヘヴィさやメタリックな感触、過激な攻撃性などとはまったく無縁のもの。実際のところ、一部ではカントリー・ロックだとかアンビエント・フォークといった形容もされており、デヴィン自身は「霊にとりつかれたジョニー・キャッシュのような音楽」などと喩えていたりもする。 カジュアリティーズ・オブ・クールは、基本的にはデヴィンと、チェ・エイミー・ドーヴァルという女性ヴォーカリストによるデュオという成り立ちをしている。チェは2009年にリリースされたデヴィン・タウンゼンド・プロジェクト名義でのアルバム『KI(氣)』にも参加していた人物だ。 デヴィンはこのプロジェクト始動のために数年前から曲作りやスタジオワークを重ねており、多くの北欧のミュージシャンなどが関わってきたという。そのなかにはスウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンド、KAIPAのメンバーで、フランク・ザッパ、ドウィージル・ザッパなどとの活動歴を持ちMESHUGGAHのギタリストであるフレドリック・トーデンダルが1997年に発表したソロ・アルバムにも参加していたドラマー、モーガン・オーグレンも含まれている。 こうした固有名詞を挙げてしまうとますます混乱を招くことになるかもしれないが、間違ってもカジュアリティーズ・オブ・クールの音楽はMESSUGGAHのようなエクストリーム・ヘヴィ・ロックではない。繰り返すが、カントリー、フォーク、あるいはヒーリング・ミュージックとすら形容可能なものだ。 とはいえデヴィンは、ヘヴィ・ミュージックに飽きたわけではない。彼はこの『カジュアリティーズ・オブ・クール』と題されたアルバムに収録されている楽曲について「ヘヴィなものを追求するかたわら、すべてを終えてから深夜に作りたいものがこれなんだ」と説明している。さらには「70年代のAMラジオのような、バックグラウンド・ミュージックになるものにしたかった」とも。実際、フォーク・ミュージックは彼が少年期に親しんでいたもののひとつでもあり、いわば彼にとってのルーツ・ミュージックの一部ということにもなるだろう。 だが「デヴィン、突然の方向転換か?」と慌ててはいけない。本作と同時にリリースされる彼自身の名義による2枚組アルバム『Z2(Zスクエア)』は、カジュアリティーズ・オブ・クールとは似ても似つかない、ヘヴィで、シネマティックで、アヴァンギャルドな作品である。かのスティーヴ・ヴァイの名盤『SEX RELIGION』(1993年)への参加で世に出てから現在に至るまで、約30枚にも及ぶさまざまな作品を世に送り出してきたデヴィン。その創作意欲と奇想天外な発想力は、今もとどまるところを知らない。カジュアリティーズ・オブ・クールが今後どのような道程を歩むことになるのかについてはまだ明かされていないが、この奇才、いや、天才に、また新たな表現の場がひとつ加わったことを、音楽ファンは歓迎すべきだろう。 【2CD収録曲】 [DISC 1] 01.ダディ 02.マウンテントップ 03.フライト 04.ザ・コード 05.ムーン 06.ピア(インストゥルメンタル) 07.エーテル 08.ヘイダ 09.フォーギヴ・ミー 10.ブロークン 11.ボーンズ 12.デススコープ 13.ザ・フィールド 14.ザ・ブリッジ 15.ピュア(インストゥルメンタル) [DISC 2] 01.ゴースト・ワイヴス 02.ドレインド 03.ディグ・フォー・ゴールド 04.デッド・アイズ 05.ドレンチ 06.メンド(インストゥルメンタル) 07.ホエア・ユーヴ・ビーン 08.ゴーン・イズ・ゴーン 09.ファイト 10.グラス・ワールド 11.アクエリアス 12.パースペクティヴ 13.ムーンシャイン 【インタビュー】 鬼才デヴィン・タウンゼンド「そんな自由さが、音楽的なフリーダムを与えてくれるんだよ」 ハード・ロック/ヘヴィ・メタル界が誇る異才デヴィン・タウンゼンドが『Z2(Zスクエアード)』『カジュアルティーズ・オブ・... BARKSニュース|2014年10月30日