カリフォルニアのエクストリーム・メタル・バンド、Exmortus。その結成は02年にまでさかのぼる。何本かのデモとEPをリリースした後、当時のスラッシュ・リヴァイヴァル・ムーヴメントで大きな役割を果たしていたニューヨークのHeavy Artillery Recordsと契約。08年には『In Hatred’s Flame』でアルバム・デビューを果たす。その後も『Beyond the Fall of Time』(11年)、『Slave to the Sword』(14年)、『Ride Forth』(16年)、『The Sound of Steel』(18年)とコンスタントにハイクオリティな作品をリリースしている。
2023年10月、ドイツの大手、ニュークリア・ブラストと契約を果たし、5年ぶりのアルバム『Necrophony』をリリース。冒頭で彼らのことを「エクストリーム・メタル・バンド」と書いたが、そのスタイルはテクニカル・スラッシュからデス・メタル、さらにはネオクラシカル風味までをも取り込んだ、実に個性あふれるもの。歌詞はファンタジー色が強く、ヘヴィメタルの精神を貫きつつもスラッシュ・メタル、デス・メタルのスピード、ブルータリティを取り入れている。本作でも、その精神に変わりはない。激しい楽曲の中にメロディックなリフや速弾きツイン・ギター・ソロも光り、あらゆるスタイルのエクストリーム・メタル・ファンはもちろん、正統派のヘヴィメタル・ファンの心も揺さぶる内容だ。