アメリカのヘヴィメタル・バンド、Fifth Angel。結成は84年。86年のバンド名を冠したデビュー・アルバムは、当時速弾きギタリストの発掘で名を馳せていたシュラプネル・レコードからのリリース。だがFifth Angelの場合、何よりもその叙情的なメロディが武器であり、この作品は彼らにメジャーのエピック・レコードとの契約をもたらした。89年にはメジャー第一弾となるセカンド・アルバム『Time Will Tell』をリリース。次に大ブレイクするアーティストとして大きな期待がかけられていたFifth Angelであるが、グランジの台頭、ヘヴィメタルの失速という音楽シーンの激変には抗えず、同年解散。その後10年にワンショットで再結成を果たしたのち、17年に本格的に復活。ドイツの大手ニュークリア・ブラストからリリースした29年ぶりのサード・アルバム『The Third Secret』(18年)は、世界中のメタルマニアを大喜びさせた。
2023年10月、Fifth Angelが、5年ぶりのアルバム『When Angels Kill』をリリース。本作はバンド初のコンセプト・アルバムであり、また前作からヴォーカリストが交代し、新たにスティーヴン・カールソンというシンガーを迎えているが、叙情的なヘヴィメタルという本質に一切の変化はない。ドラマーのケン・メアリーは18年からFlotsam and Jetsamでも活躍しているが、今回新たに加わったギタリスト、スティーヴ・コンリーも、Flotsam and Jetsamのメンバー。