フィラデルフィアのメロディック・メタル・バンド、ヘヴンズ・エッジ。90年に巨匠ニール・カーノンをプロデューサーに迎え、いきなりメジャーのコロムビアからアルバム・デビュー。非常にクオリティの高い作品であったが、何しろ90年代初頭はメタル暗黒期。音楽シーンはグランジ旋風が吹き荒れ、多くのメタル・バンドが解散や方向転換を余儀なくされた。このヘヴンズ・エッジも、セカンド・アルバムをレコーディングしたものの、リリースまで漕ぎ着けることができず、93年に解散してしまう。その後、解散中ではあるものの、98年には未発表音源を収録した『Some Other Place – Some Other Time』をリリース。21世紀に入ると、散発的にベネフィット・コンサートなどへの出演を再開。13年にはついに、オリジナル・メンバーでのオフィシャル・リユニオン・コンサートが実現。モンスターズ・オブ・ロック・クルーズ、メロディック・ロック・フェスティヴァル等、いくつものフェスティヴァルへの出演を果たした。
2023年6月、アルバム『Get It Right』をリリース。『Some Other Place – Some Other Time』から25年ぶり。オリジナル・アルバムという意味では、デビュー作から33年ぶりの新作ということになる。残念ながらベースのジョージ”G.G.”ギドッティは、19年に他界してしまったが、他の4人のオリジナル・メンバーが集結。『ゲット・イット・ライト』と題された本作には、当然のことながらハードでメロディックなメタルがぎっしり。まるでヘヴィメタルの黄金時代である80年代にタイムスリップしたかのようなサウンド。