04年に結成されたスウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンド、スカー・シンメトリー。カーナル・フォージ等有名バンドで活躍するメンバーを擁していたこともあり、即アメリカの名門メタル・ブレイドと契約。翌05年『Symmetric in Design』でアルバム・デビューを果たす。その独特なスタイルを持つメロディック・デス・メタルは大きな反響を呼んでいく。その後ヨーロッパ最大のメタル・レーベル、ニュークリア・ブラストと契約した彼らは、『Pitch Black Progress』(06年)、『Holographic Universe』(08年)、『Dark Matter Dimensions』(09年)、『The Unseen Empire』(11年)と、コンスタントにハイクオリティなアルバムを連発。
とりわけAIをテーマとしたトリロジーの第1作である14年の『The Singularity (Phase I: Neohumanity)』は、ファン、メディア双方から非常に高い評価を獲得する。だがその後、あっという間に9年もの月日が流れてしまった。「トリロジー構想は頓挫してしまったのか」と、なかば諦めていたファンも少なくないことだろう。
2023年6月、ついにニュー・アルバム『The Singularity (Phase II - Xenotaph)』をリリース。入念に作り込まれたアルバムが売りのスカー・シンメトリーであるが、今回の作品の完成度も、異常なまでに高い。なかなか類似したバンドを見つけるのが難しい、強烈なオリジナリティを持ったバンドである。