スーパースターが集結したプロジェクトも珍しくなくなってきたが、このエレガント・ウェポンズは破壊力が段違い。何しろあのジューダス・プリーストのギタリスト、リッチー・フォークナーが夢見ていたラインナップを実現したというのだから、生半可なメンバーであるはずがない。ドラムはやはりジューダス・プリーストのスコット・トラヴィス。リッチーは「ずっと彼とジューダス・プリースト以外のアルバムを作りたいと思っていた」とコメントしている。ベースはレックス・ブラウン。言わずと知れた、パンテラのグルーヴ・モンスターである。そしてヴォーカルを務めるのは、ロニー・ロメロ。レインボー、マイケル・シェンカー・グループ、ヴァンデンバーグ、ディスティニア等で活躍する、現在メタル界で最も多忙な実力派シンガーだ。
そんな豪華すぎる4人が集結して作り上げたデビュー・アルバムのサウンドは、いかなるものか。ここではやはり、「ジミ・ヘンドリクス、ジューダス・プリースト、ブラック・サバス、オジー・オズボーン、そしてブラック・レーベル・ソサイアティのミックス。オールドスクールだがモダン。ギター・ソロがたくさんあって、骨を震わせるくらい曲はヘヴィだけどメロディは豊富」という、リッチー自身の言葉を引くのが一番であろう。スコットとレックスという鉄壁のリズム隊の上に、リッチーのヘヴィでメロディックなギターと、職人ロニーの最強ヴォーカルが乗る。ヘヴィメタルのレジェンドたちが、ヘヴィメタルの歴史を総括する作品を作ったと言うべき作品。