エイドリアン・ベネガスはパラグアイ出身の作曲家/キーボーディスト。19年に『The Revenant』と題されたソロ・アルバムをリリース。それがリーパー・エンターテインメントの目に留まり、2023年5月にセカンド・アルバム『Arcanum』を発売。
エイドリアン自ら「シアトリカル・パワー・メタル」と呼ぶそのスタイルは、その名の通り実にドラマチックでパワフルなもの。何よりも注目すべきは、参加メンバーの豪華さだ。ヴォーカルは、現在ヘヴィメタル界で最も多忙なシンガー、ロニー・ロメロ。レインボーにマイケル・シェンカー・グループ、ヴァンデンバーグ、ディスティニアと、彼が参加したバンドは枚挙にいとまがない。ドラムはガンマ・レイ、プライマル・フィアをはじめ、これまた多数のバンドで活躍するミヒャエル・エーレ。ベースはミラスのアニス・ジュイニ。ギターは元ディレインのティモ・ソマース。さらにプロデュースを担当したのは、アヴァンタジアでの活躍等で知られるサシャ・ピート。これだけのメンツが揃って、生半可な作品などできるはずもない。これぞ最高級のパワー・メタルだ。メロディ、シンフォニック・アレンジメント、演奏、いずれも超一級品。