プログレッシヴ・メタルの救世主として近年大きな注目を浴びているロンドンのヘイケン。10年に『Aquarius』でアルバム・デビュー。プログレの名門、インサイド・アウトと契約しリリースされたサード・アルバム『The Mountain』(13年)で、大きな注目を集めることとなった。その後も『Affinity』(16年)、『Vector』(18年)、『Virus』(20年)とアルバムを重ねるごとに進化。『Virus』はビルボード・ホット100の52位、イギリスのロックチャートで2位にランクインする快挙。ヘヴィメタルをベースに、ピンク・フロイドや90125YES、クラシック、ジャズ/フュージョンなど様々な音楽スタイルを貪欲に取り込んだスタイルで、プログレ・ファンを魅了し続けている。
そんなヘイケンのヴォーカリスト、ロス・ジェニングス。アメリカのAORや90年代のアリーナ・ロックを好み、U2やColdplay、R.E.M.の大ファンであることを公言している。彼がメタル・シンガーで「ない」ことが、ヘイケンの大きな武器の一つとなってきた一方、ロス自身は自らのルーツであるAORやアリーナ・ロックからインスパイアされたアルバムを作りたいという欲望をずっと持ち続けてきた。そしてついに2021年11月、『ア・シャドウ・オブ・マイ・フューチャー・セルフ』という初ソロ・アルバムに結実した。