ケミスはアメリカ、コロラドのドゥーム・メタル・バンド。13年にネット上でデモを発表した後、ドゥーム・メタルの総本山、20バック・スピンと契約。15年に『Absolution』でアルバム・デビューを果たす。16年には早くもセカンド・アルバム『Hunted』をリリース。そのひたすらヘヴィなスタイルで、ドゥーム・メタル界の話題をさらっていった。18年のサード・アルバム『Desolation』のヨーロッパ盤は、あのニュークリア・ブラストからリリース。ニュークリア・ブラストがドゥーム・メタルの作品を扱うのは、異例のことである。 2021年11月には、4枚目の『ディシーヴァー』と題されたアルバムをリリース。
ドゥーム・メタルと一口に言っても、実に多くのスタイルが存在しているが、ケミスがプレイしているのはあくまで伝統的なヘヴィメタルに立脚したドラマチックなそれ。ヴォーカルもエピックに歌い上げるタイプだ。ケミスの場合、決してスロー一辺倒ではなく、スラッシーなパートも飛び出したりと抑揚が豊かなため、一切飽きることなく世界に没頭できる。
ドラマーのザック・コールマンは、ここ数年大きな人気を誇っているデス/ブラック・メタル・バンド、ブラック・カースのメンバー。また2021年6月にデビュー作を発表したマックス・カヴァレラ(ソウルフライ、元セパルトゥラ)とその御子息のバンド、ゴー・アヘッド・アンド・ダイにも参加している人物である。