アボーテッドはベルギー出身のデス・メタル・バンド。95年、現在もフロントマンを務める(そして残っている唯一のオリジナル・メンバーでもある)スヴェン・ド・カルヴェによって結成された。99年に『The Purity of Perversion』でアルバム・デビュー。続けて『Engineering the Dead』(01年)、『Goremageddon: The Saw and the Carnage Done』(03年)、『The Archaic Abattoir』(05年)と3枚のアルバムをリリース。ハイクオリティな作品と積極的なツアーで着実に人気バンドへと成長していったアボーテッドは、大手センチュリー・メディアとの契約を手にする。その後も数年おきにアルバムをリリースし続けたアボーテッドは、現在間違いなくデス・メタル界最重要バンドの一つと言える存在になっている。来日経験もあるので、その圧倒的なステージを体験した人も少なくないだろう。
2021年10月には、『マニアカルト』と題された11枚目のスタジオ・アルバムをリリース。前作『TerrorVision』(18年)で聴かせたテクニカルさと、『La Grande Mascarade』EP(20年)のダークな雰囲気を併せ持った作品だ。
その後Nuclear Blastへと移籍し、24年3月に3年ぶりのニュー・アルバム『Vault of Horrors』をリリース。「ホラーの保管室」というタイトル通り、収録されたすべての曲が、『悪魔のいけにえ』、『ハロウィン』、『バタリアン』といったクラシック・ホラー映画に捧げられている。サウンドの方は言わずもがな、いつものダークでヴァイオレントな高速ギター・リフで埋め尽くされたAborted流デス・メタルだ。Alex Erian (DESPISED ICON)、Johnny Ciardullo (CARCOSA / ANGELMAKER)、Ben Duerr、(SHADOW OF INTENT)、Francesco Paoli (FLESHGOD APOCALYPSE)らがゲスト・ヴォーカルで参加。