ノルウェーのブラック・メタル・バンド、オーダーは13年、カダヴァーのアンダース・オデン(G)、ストゥー・マンクス(B)、そして『Deathcrush』期のメイヘムに参加していたチェティル・マンハイム(Dr)、ビリー・メサイア(Vo)という伝説的な4人が集まって結成された。だがその翌年、ヤンセンが急逝するという悲劇に見舞われ、一旦このプロジェクトは頓挫。15年に新ベーシストを加え活動を再開した彼らは、17年『Lex Amentiae』でアルバムデビューを果たす。それから4年、2021年10月にはセカンド・アルバム『ザ・ゴスペル』をリリース。
デビュー・アルバムの出来には十分満足しているとしつつも、今回はレベルが違うと大きな自信を覗かせる。音楽的にも歌詞的にも、非常にパーソナルな作品となったという『ザ・ゴスペル』は、洗練とは程遠い作品。それはそうだろう。下劣なデス・メタルの権化とでも言うべきカダヴァー、そしてあの『Deathcrush』を作ったメンバーたちが集まって、お上品な作品など出来あがろうはずもない。ひたすらシンプル、そしてブルータル。その中に、妙なキャッチーさが光る。エクストリーム・メタルとは本来こういうものなのだ。