日本でもカルトな人気を誇り続けているメタル・パンクのオリジネイター、ウォーフェア。あまり知られていないことだが、メタリカのライヴ会場に大型トラックで乗り付け、あたりの車に体当たりしまくって警察沙汰になるなど、エクストリーム・メタル界きっての暴れん坊でもある彼ら。84年のデビュー・アルバム『Pure Filth』はタンクのアルジー・ワードがプロデュースを手がけただけでなく、ヴェノムの3人がゲスト参加。翌85年にリリースされたセカンド・アルバム『Metal Anarchy』は、メタル・パンクの永遠の名作として語り継がれる伝説の作品だが、これをプロデュースしたのは、あのレミーであった。(ワーゼルもゲスト参加。)で、さらに次の『Mayhem, Fuckin’ Mayhem』(86年)はヴェノムのクロノスがプロデュースだというのだから豪華にも程がある。88年の4thアルバム『A Conflict of Hatred』ではヴァイオリンとサックスをフィーチャ。これはケルティック・フロストとともに、エクストリーム・メタルに非メタルの楽器を持ち込んだ極最初期の例だ。その名の通りハマー・ホラーへのトリビュートとなった『Hammer Horror』(90年)では、突如ゴシックへと方向転換。ファンを驚かせた。残念ながらバンドは93年に解散してしまうのだが、15年に再結成。その後いくつかの未発表音源をリリースしてきたウォーフェア。2021年9月には、究極のコンピレーションとでも言うべき作品 『ザ・ソングブック・オブ・フィルス』をリリース。