ワルタリがフィンランドの首都ヘルシンキで結成されたのは1986年のこと。カルツュ・ハタッカ(ヴォーカル/ベース)、 ヤリオ・レーティネン(ギター)、サレ・スオマライネン(ドラム)のトリオでスタートしたバンドは、クリエイターのサミ・ウリ・シルニヨ(ギター)を迎えたセカンド・アルバム『MONK-PUNK』(1991年)で、レッド・ホット・チリ・ペッパーズやフェイス・ノー・モアなど、当時、ブームになりつつあったミクスチャー・スタイルのロックを展開。その後、後にチルドレン・オブ・ボドムに加入するローペ・ラトヴァラ(ギター)が加わるなど、メンバー・チェンジを行ないつつ、音楽面でもアップ・デートを重ね、メタル、パンク、ファンク、インダストリアル、ヒップホップなどを織り交ぜた音楽を披露する。
7作目の『RADIUM ROUND』(1999年)から、ミクスチャー的な要素を活かしながら、よりメロディックな方向へとシフトした彼らは、9作目の『RARE SPECIES』(2004年)からメタリックなギターが入った楽曲も目立つようになる。さらに2011年には結成25周年を記念してカヴァー・アルバムの『COVERS ALL! - 25TH ANNIVERSARY ALBUM』をリリースした後、13作目の『YOU ARE WALTARI』(2015年)を挟んで、2020年4月には14作目の『グローバル・ロック』をリリース。
2021年はワルタリにとって、アルバム・デビュー30周年。もともとはアニヴァーサリー・ツアーを企画していたというが、世界はパンデミック真只中ということで、急遽予定を変更し、30周年記念アルバムがリリースされることになり『サード・ディケイド - ジ・アニヴァーサリー・エディション』が完成した。過去のワルタリのアルバムから厳選されたトラックの数々がリレコーディングされている。