2018年にロニー・ロメロ、若井望、マルコ・メンドーサ、トミー・アルドリッジの布陣で制作されたディスティニアのアルバム『メタル・ソウルズ』。本アルバムは、ロニーと若井がディスティニア単独公演を経て、好評を得たその流れから2019年にZepp DiverCityで開催されたメタル・イベントMETAL WEEKENDにカヴァー・プロジェクトとして出演した時の模様が収録されている。
ロニー・ロメロが歌うカヴァー曲としては2022年にソロ・アルバムとして発売されたカヴァー・アルバム『レイズド・オン・レディオ』が記憶に新しい。今作はそちらとは対照的に本作に含まれるカヴァー曲には、これでもかと言うほどに著名な名曲がラインナップされている。若井とロニーが相談して決めたという選曲には、フレディ・マーキュリー+ロニー・ジェイムズ・ディオといわれたロニーが、クイーンの楽曲を歌っていたり、MSG加入前の時期にMSGのルッキング・フォー・ラヴを歌っていたり、と彼の活躍に即した楽曲も含まれている点も見逃せない。
加えて、ディスティニアの楽曲もいまや様々なシーンで活躍する女性ヴァイオリニスト Ayasaを迎えたスペシャル・バージョンで披露されている。このコラボレーションは若井とAyasaが共演した事きっかけに実現し、その後もAyasaに書き下ろし曲を提供するなどの分岐点となった瞬間でもあり、Ayasaにも大きな影響を与えたライブとなっている。
メンバー感の仲の良さが演奏にも出ており、ロニーの歌、若井のギターそれぞれからマドリードで行われたリハからの良い流れが伝わってくるものとなっている。オーディエンスも有名楽曲の連発に盛り上がり、カヴァーならではの空間がCD・DVDともにしっかりと収録されている。