1970年代後半から80年代初頭までイギリスを席巻し、アイアン・メイデンやサクソンらを輩出したムーヴメント N.W.O.B.H.M.(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)。ジョン・サイクスを輩出したことで知られるタイガース・オブ・パンタン(以下タイガース)は、このムーヴメントを語る上で決して避けては通れない重要バンドだ。
サイクスは『スペルバウンド』『クレイジー・ナイツ』(共に1981年)、そしてシングル「ラヴ・ポーションNo.9」(1982年)でプレイした後、シン・リジィに加入。さらにホワイトスネイク、ブルー・マーダーでハード・ロック/ヘヴィ・メタル・シーンを代表するトップ・ギタリストとなっている。いわばサイクスの原点となるバンドがこのタイガースだ。
ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの名盤と呼ばれる『スペルバウンド』発売に伴う1981年の英国ツアーから、4月23日 ノッティンガム・ロック・シティでのライヴ・パフォーマンスを収めたライヴCD『ライヴ1981~ヘルバウンド・スペルバウンド』が2019年1月にリリース。
この時期のバンド・ラインナップは、タイガース史上最強の布陣と呼ばれるもので、彼らのライヴの熱気を捉えるべく、『スペルバウンド』をプロデュースしたクリス・タンガリーデスが『ローリング・ストーンズ・モバイル・スタジオ』でレコーディングしたものの、長年お蔵入りになってきた。その後一度発売されたきり、現在まで長く廃盤となっていたが、リミックス/リマスターが施された新装盤として見事に蘇っている。