90年代半ば、ブリット・ポップの全盛期に「プレイス・ユア・ハンズ」というブルージーなアメリカン・ロック曲をヒットさせた英国バンドのリーフ。
2003年の解散後、2010年に再結成公演を行なった彼らは、『Winter』という映画のサウンド・トラックのために新曲「バーキング・アット・トゥリーズ」を発表。フロントマンのゲリー・ストリンガーはそのまま活動を続けることを望んでいたが、ギタリストのケンウイン・ハウスがバンドを脱退。
その後にオーディションで加わった新ギタリストが、ローリング・ストーンズのロニー・ウッドの一番目の息子、ジェシー・ウッドだ。ジェシーは、1976年にロニーと最初の妻である故クリッシー・フィンドレーとの間に生を受けた最初の子で、2011年のフジロックで37年ぶりとなる来日を果たしたフェイセズのサイド・ギタリストとして、また、父ロニーがロンドンで行ったソロ・コンサートではベーシストとしてプレイ、さらには友人らと始めたバンドRedRacerのギタリストとしても活動している。また、ミュージシャンとしての傍、恵まれた容姿を活かしてモデルとしても活躍。2014年には、イギリスの人気テレビ/ラジオ・プレゼンターで、持ち前のセンスを活かして自身のファッションブランドも持つトレンドセッターのファーン・コットンと結婚。若くしてマルチな音楽的才能とルックス、そして成功をも兼ね備えた実力派ミュージシャンの加入はリーフにとって非常に心強いものだ。
新編成になった後、ニュー・アルバム制作に辿り着くまでに大分歳月が流れてしまったが、ゲリーはその理由について、「生活していたからだよ! 時間が経ってるなんて一度も思わなかった。それに、急いでアルバムを発表して、その結果を見るようなこともしたくなかった。俺達は、可能な限り最高のアルバムを作りたかった」と語る。そして新作の作曲に、2年半かけたという。その間にイギリスで2度のツアーを行なった彼らは、ショウの度に新曲を披露して観客の反応を見た。
2018年に18年ぶりのニュー・アルバム『レヴェレイション』をリリース。彼らの長年のコラボレーターであるジョージ・ドラクリアス(ブラック・クロウズ、ジェイホークス等)がプロデュースを手がけ、18年のブランク期間などまるで存在していなかったかのように、往年のリーフらしい優れたクラシック・ロック曲が並ぶ名作に仕上がった。リード・シングル「マイ・スウィート・ラヴ」には、グラミー賞受賞シンガーソングライターのシェリル・クロウがゲスト参加しており、ゲリーと鮮やかなデュエットを響かせている。