「単に大音量」という名前とは裏腹に、エレクトロなバンド・サウンドに鮮やかなR&Bヴォーカルを織り込んだ心地良いオルタナティヴ・ポップ・ミュージックを届けるジャスト・ラウド。今年6月15日に4曲入りのデビューEP『Episode 1』でデビューし、7月に初ライヴを行なったばかりの新人だが、ダンサブルでスタイリッシュなデビュー・シングル「エレクトリファイド」の動画再生回数がすでに114万回を突破し、話題になり始めている。そして11月16日、EP収録の3曲を含む計13曲入りのデビュー・アルバム『ジャスト・ラウド』のリリースが決定した。プロデュースを手がけたのは、トレイン、ネオン・トゥリーズ、ケイティ・ペリーの作品で知られる人気プロデューサー、SluggoことDave Katz。また、ブロンディのデボラ・ハリーが「ソウル・トレイン」という曲にゲスト参加している。両者とも、ジャスト・ラウドの名をこのデビュー作で一気に世界に広めようという意気込みがひしひしと感じられる人選だ。
アメリカのヴァージニア州生まれのジャスト・ラウドは、子供の頃から地元の教会に通っていたという。ナールズ・バークレイのシー・ローやプリンスを彷彿とさせるソウルフルな歌声は、ゴスペルを歌っていた環境に影響されているのだろう。しかし好奇心と反抗心が強い彼は15歳で教会を離れ、彼自身のユニークな音楽を作ることに向けて歩み始めた。遂に世に出る『ジャスト・ラウド』のファルセット・ヴォーカルからラップ、レゲエまでを取り入れたハイブリッドなサウンドは、2018年のシーンにフィットするばかりか、とても新鮮に聞こえる。そして全ての曲の歌詞が、若き彼の内面の痛みや苦悩や喜びを包み隠さずに語る深い内容になっているのも魅力的だ。