ペンシルベニア州にある田舎町ナンティコーク出身のポップパンク・バンド、 センド・リクエストは、2013年に高校で知り合った4人が結成したバンドだ。それまでコピーバンドでプレイしていたメンバーにとって初めて真剣に取り組んだバンドがセンド・リクエストだという。
バンドは、翌年4月に自主制作でEP『Beyond The Ordinary』、さらに2015年に初のアルバム『Make Your Move』とリリースを重ねる。特筆すべきは、全ての作品のプロデュースを、元ATTACK ATTACK!のヴォーカリスト、Johnny Franckが担当している点だ。これはバンドがFacebook上でJohnnyを見つけ、気軽にメッセージを送ったところ本人から返信が届いたことをきっかけに交流が生まれ、全ての作品に関わることになったという。
音源のリリースと並行して、2014年、2017年のWARPED TOURペンシルベニア公演の出場権をオーディションで勝ち取るなど、地元で頭角を現していく。
2018年8月バンドにとって2作目となる『パースペクティヴス』をリリース。レーベルからのリリースとしては初となる記念すべき作品だ。新進気鋭のレーベルSharptone Recordsからのリリースである。これはバンド側から契約を求めてレーベルへアプローチしたのではなく、創設者でNuclear Blastの代表も務めるマーカス・スタイガーが数年前にバンドに目を付け、コンタクトをとったことが契約のきっかけだという。
“棚からぼたもち”のような強運を持つバンドは、アルバム制作に関してもプレッシャーへの恐怖などと無縁のようだ。“決して焦らず、時間をかけてベストの作品を仕上げる”という規律を自らに課し、実に2年以上の歳月をかけて完成にこぎつけている。
かつて夢中だった世代から若い現役世代まで、あらゆるポップパンク好きを魅了する才能を持つセンド・リクエスト。二十歳前後の若き4ピースが奏でる力強い旋律と躍動するリズムは、夏のアンセムになるポテンシャルを秘めている。