バッド・ウルヴスは、US/カリフォルニア州、ロサンゼルスにて結成。ヴォーカルはDivine HeresyやWestfield Massacre、Snotといったバンドで活躍したトミー・ヴェクスト、ドラムは元DevilDriverのジョン・ベックリン、ギタリストには元God Forbidのドック・コイルと元Bury Your Deadのクリス・ケイン、そしてベーシストには元In This Momentのカイル・コンキールという、メンバー全員がハイキャリアを持つ超エリート集団だ。2017年に活動を本格化させ、5月にはデビュー・シングルとなる「Learn to Live」を自主リリースでドロップ。超絶技巧派メンバーの織りなす鋼鉄のグルーヴ感、溢れんばかりの攻撃性を詰め込んだ重厚なギターのリフ、猛々しく骨太なシャウトと哀愁を帯びた叙情的な歌声を使い分ける圧倒的なヴォーカルワークは、数多のメタルヘッズの心を鷲掴みにしていった。そんな彼らの噂は瞬く間にシーンの中へ浸透していき、ほどなくしてMötley CrüeやPapa Roachらも所属するレーベル、Eleven Seven Musicとの契約が決定。 2017年11月には、2ndシングルとなる「Toast to the Ghost」をリリースし、時を同じくしてデビュー・アルバムの発売もアナウンスするなど、バンドの勢いは一挙に加速していった。
そんな彼らを語る上で欠かすことのできない楽曲が、 アイルランドを代表するオルタナティヴ・ロック・バンド、The Cranberriesの代表曲である「ゾンビ」のカバーだろう。「ゾンビ」は1994年のリリース以降、彼らの代表曲として多くのリスナーを惹きつけてきた。ヴォーカルのトミーもこの曲に多大な影響を受け、強いシンパシーを感じたことから、カバーを熱望したのだそうだ。The Cranberriesのヴォーカル、故Dolores O'Riordanもバッド・ウルヴスによる「ゾンビ」をいたく気に入っており、メンバーと共にレコーディングを行う予定となっていた。トミーの携帯に、自分がいかにレコーディングを楽しみにしているか、というヴォイス・メッセージを残していたそうだが、その電話の翌朝、彼女はこの世を去ってしまう。バンドはこの悲劇に打ちひしがれたが、Doloresの意思を継ぎ、楽曲を世に送り出すことを決意。同時に、「ゾンビ」の売り上げは彼女の子供たちへと寄付することも発表した。
悲しみの中で立ち止まるのではなく、その先へ進むことを決意したバッド・ウルヴスの1stアルバム『ディスオベイ』。本国USでも大きな注目を浴びる彼らの幕開けとなる作品を、しっかりとその鼓膜に焼き付けて欲しい。
【メンバー】
トミー・ヴェクスト(ヴォーカル)
ジョン・ベックリン(ドラムス)
クリス・ケイン(ギター)
ドック・コイル(ギター)
カイル・コンキール(ベース)