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創始者にして唯一のオリジナル・メンバーであったマーク・リアリ(G)の死を乗り越え、『アンリーシュ・ザ・ファイア』から劇的な復活を遂げたライオット。
RIOTは、1975年にマーク・リアリ(G)とピーター・ビテリ(Dr)を中心に結成された。1977年にインディ・レーベルから1stアルバム『ROCK CITY』をリリース。翌年には日本で『ロック・シティ ~怒りの廃墟~』のタイトルでリリースされた。ブリティッシュ・ハードロックに多大な影響を受けた音楽スタイルは、欧州や日本で高い人気を誇り、今なお名曲として語り継がれている「ウォリアー」は、「幻の叫び」のタイトルでシングル・カットされスマッシュ・ヒットを記録。1980年にはレインボー、スコーピオンズ、ジューダス・プリースト等とともに、第1回モンスターズ・オブ・ロックへの出演を果たす。1981年にはエレクトラ・レコードに移籍し、3rdアルバム『FIRE DOWN UNDER』をリリース。1982年発表の4thアルバム『RESTLESS BREED』からヴォーカリストをガイ・スペランザからレット・フォリスターに交代し、2枚のアルバムを発表。1984年に一度解散するも1986年に再結成され、マーク・リアリ以外のメンバーを交代して1988年に再結成アルバム『THUNDERSTEEL』がリリースされた。
哀愁のメロディはそのままに、よりパワフルに、よりスピーディに、時代性を取り入れ進化したスピード・メタルが展開された『THUNDERSTEEL』の作風は、世界中のメタルファンから絶賛された。1989年の『THE PRIVILEGE OF POWER』をレコーディングから2人目のギタリストとしてマイク・フリンツが加入。1989年12月に初来日公演が行われ、以後、来日公演を重ね、コンスタントにアルバムをリリース。今なお日本でも絶大な人気を誇っている。
14thアルバム『IMMORTAL SOUL』を発表後の2012年1月、リーダーのマーク・リアリがクモ膜下出血により昏睡状態に陥り、1月25日に死去。ライオット名義での活動に終止符が打たれた。
創始者にして唯一のオリジナル・メンバーであるマーク・リアリが他界し、バンドは活動停止状態に。残されたメンバーは失意の底にあったが、ギタリストのマイク・フリンツとベーシストのドン・ヴァン・スタヴァンを中心に再結成。新ヴォーカリストにトッド・マイケル・ホール、セカンド・ギタリストにニック・リーが参加、ドラマーにフランク・ギルクライストの編成で、2013年からバンド名を「RIOT V」に改名し、活動を再開した。2014年に『UNLEASH THE FIRE』を発表。日本では“ライオット”名義でアルバムがリリースされた。同年10月にはLOUD PARK 14へ出演、パワフルでアグレッシヴなステージでオーディエンスを魅了した。
劇的な復活から4年。2018年、ニュークリアブラスト移籍第一弾、通算16枚目のアルバム『アーマー・オブ・ライト』をリリース。プロデューサーにMETAL CHURCH, FLOTSAM & JETSAM, SLIPKNOT, KORN等の仕事で知られるChris "The Wizard" Collier、カバーアートワークはMariusz Gandzelが担当した。
2019年2月には、2018年3月10日/11日、川崎CLUB CITTA'で行われた、名盤『サンダースティール』(1988)の30周年を記念するアニヴァーサリー・ライヴを収めた映像作品『ライヴ・イン・ジャパン2018』をリリースしている。
2024年2月にはアルバム『Mean Streets』をリリース。前作『Armor of Light』から6年ぶり、通算17枚目となる本作。当然今回も、『Thundersteel』で完成を見た、抒情性とアグレッションでいっぱいのパワー・メタルが炸裂。溢れ出るエネルギー、そしてメタル・ファンにはたまらない哀愁のメロディ。これぞRiot、これぞヘヴィメタルと言いたくなる傑作である。