2005年にネバダ州ラスベガスにて結成。全米にエモ/スクリーモブームをもたらしたMy Chemical Romanceにその才能を認められ、結成後僅か1年で1stアルバム『Dying Is Your Latest Fashion』をリリース。LAメタルやグラムロックの要素も取り入れたスタイリッシュな世界観と、メタルコア、スクリーモ、ロック、パンクと様々なエッセンスを配合したヘヴィ&キャッチーなサウンドが話題を呼んだ。
デビュー当初から大きな注目を浴び、彼らの道のりは順風満帆に見えたが、初代ヴォーカリスト= Ronnie Radkeが暴行罪によって逮捕され、脱退を余儀なくされるという衝撃的な事件が起こる。しかしバンドは歩みを止めることなく、同じシーンで活躍していたBlessthefallの元ヴォーカル、クレイグ・マビットをフロントに迎え入れキャリアを続行。その後も度重なるメンバー・チェンジやレーベルの変更を経験しながらも、コンスタントに作品をリリース。前作『Hate Me』から約3年の時を経て、6thアルバムとなる『アイ・アム・ヒューマン』をここに完成させた。
バンドはメンバーが替わるたびに、それをマイナスなことと捉えず、常に新たな要素を吸収し、自らの音へと昇華してきた。これまでの軌跡の中で生み出された作品は、バンドがそれぞれの時代に置かれてきたシチュエーションを色鮮やかに描き出しており、彼らの器用さとセンスの良さを感じさせる。今作においては、バンドがその歴史の中で得てきた進化も存分に前に出しつつ、彼らの原点にあった、モダン・ロックとグラマラスな音色もしっかりと復活させているあたりも心憎い。
プロデューサーには、前作に引き続きMy Chemical RomanceやLinkin Parkらの作品も手がけた巨匠、Howard Bensonを起用。万全の体制で制作が進められた新作について、ヴォーカルのクレイグは「俺たちは年も重ねて、自分たち自身も変化した。だから、音も変化しているんだ。でも一方で、俺が加入して最初にリリースしたアルバム『This War Is Ours』を出した時以来のワクワク感もある。まるで17歳に戻った時のような気分だよ。」と評している。これまで何度も運命を追い越し、その先にある未来を掴み続けているエスケイプ・ザ・フェイト。再び彼らが世界を手中に入れるまで、もう間も無くだ。
【メンバー】
クレイグ・マビット(ヴォーカル)
ケヴィン “スラッシャー” ガルフト(ギター)
TJ ベル(ギター)
ロバート・オーティス(ドラムス)