2007年のデビュー以来、米国で絶大な人気を誇るヘヴィ・メタル・バンド、ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ(5FDP)。現在のメンバーは、アイヴァン(ヴォーカル)、ゾルタン(ギター)、ジェイソン(ギター)、ジェレミー(ドラムス)、クリス(ベース)の5人である。
彼らはLAのバンド、U.P.O.に在籍していたゾルタンが、ドラマーのジェレミーと出会い2005年に結成された。バンド名は、7歳から柔道を習うなど、マーシャルアーツに造詣が深いゾルタンが、古い映画のタイトルから命名。これは1972年の香港映画『天下第一拳』という作品で、日本では1974年に『キング・ボクサー 大逆転』のタイトルで公開された。オリジナルの英語題名は『King Boxer』だが、アメリカでは『Five Fingers of Death』のタイトルで公開され、大ヒットしたカンフー映画である。ちなみにゾルタンは、2009年頃から本格的に柔術をやり始め、現在ではバンドのサウンドエンジニアやセキュリティもトレーニングを受けているという。
彼らはこれまでに7枚のオリジナル・アルバムを発表している。デビューアルバム『The Way of the Fist』は2007年にリリースされ、米国では50万枚以上の売り上げを達成。2009年の『War Is the Answer』ではさらに人気を高め、100万枚を超える売り上げを記録した。2011年10月11日にリリースされたサード・アルバム『American Capitalist』は全米チャートで初登場3位となり、このアルバムから5曲をシングル・カット、iTunesのみのシングルを入れれば、6曲のシングルを世に送り出したことになる。これはヘヴィ・ロック・バンドとしては異例の出来事だった。そして、2013年には『The Wrong Side of Heaven and the Righteous Side of Hell: Volume 1』と『Volume 2』の2枚を立て続けに発表し、ともにビルボード誌の全米アルバムチャートで2位を記録、ハードロック・チャートとロック・アルバム・チャートでは1位を達成した。