イリノイ州シカゴ出身のワールド・ウォー・ミーが、バンド名を冠したデビュー・アルバムを発表する。「今は最高の気分だね。このアルバムの制作には、5年もかけたからさ。それが日本を含めてワールドワイドで発売されるっていう事実にも圧倒されてるよ」と、フロントマンのスティーヴン・クライペルは言う。
子供の頃から歌うことが大好きで、独力で曲も書いていた彼は、まだ10代の時にゲット・スケアードのヴォーカル、ニック・マシューと組んで曲作りを始めた。ポスト・ハードコア・バンド、ゲット・スケアードの大ファンだったスティーヴンが、ニックにデモを送ったのがきっかけだ。ニックのプロデュースで何年も曲作りを続けた後、メンバーを探し、2015年にバンドを結成。続いてニックの紹介で、SharpTone Recordsとの契約も獲得した。バンド名は、アルバム・タイトル曲の「ワールド・ウォー・ミー」に由来している。
すでに「ウォー・ゾーン」、「ザッツ・ソー・イエスタデイ」、「ブレイク・ア・レッグ・キッド」、「ザ・グッド・イナフ」と4曲のシングルを発表し、10代~20代のロック・ファンの注目を集めている彼ら。満を持してリリースされる『ワールド・ウォー・ミー』では、90年代のエモーショナルなポップパンクと、2000年代以降のオルタナティヴ・ロックを融合した独自のサウンドが炸裂している。
スティーヴンが最も影響を受けたバンドとして名を挙げるサム41、ザ・ユーズド、マイ・ケミカル・ロマンスのサウンドが好きな人であれば、瞬時に惹き付けられることだろう。様々なタイプの曲を取り揃えながらも、全ての曲に一度聴いたら忘れないほどキャッチーなメロディーが備わっている点が一貫しており、そのメロディーに乗せてエッジの効いたヴォーカルで歌われているのは、スティーヴンが自らの心の闇や深刻な問題と闘う姿だ。「己の世界大戦」というアルバム名は、歌詞の内容を象徴している。そして彼らは、「辛い経験をしているのは、君だけじゃない。君は一人じゃない」というメッセージを、アルバムを通して投げかける。
ワールド・ウォー・ミーは、今、最も期待するべきバンドの一つだ。マイ・ケミカル・ロマンスが日本でも成功を収めていたことを覚えているスティーヴンは、「日本でプレイすることが、俺達の夢の一つなんだ」と、力を込めて語る。その夢が叶う日は、遠くはないであろう。
【メンバー】
スティーヴン・クライペル(ヴォーカル)
チャーリー・ハリス(リード・ギター)
ジョナサン・ワトソン(リズム・ギター)
ショーン・デイリー(べース)
ジョー・カス(ドラムス)