今や台湾を代表するロック・バンドであり、エクストリーム・メタル新世代の旗手として世界レベルで支持されるソニック。
1998年のデビュー以来、躍進を続けてきた彼ら。アグレッシヴでシンフォニックなメタル・サウンドと古楽器の導入、そして台湾の歴史や伝説を題材としたコンセプトによって、カリスマ的な人気を獲得してきた。霧社事件を取り上げた『サイディク・バレイ』(2005)や高砂義勇兵をテーマにした『高砂軍(タカサゴ・アーミー)』(2011)は、歴史の闇に葬られようとしていた事件に新たな光を当てることになった。
さらに彼らはブラック・メタルと歌仔戲をクロスオーヴァーさせたメイクを筆頭に、ヴィジュアル面のインパクトでも知られており、紅一点ベーシストのドリスは単独写真集を刊行しているほど。2012年にリリースされたライヴCD/DVD『醒靈寺大決戦(ファイナルバトル・アット・シンリンテンプル)』も好セールスを記録した。
ソニックがその実力を最大限に発揮するのがライヴだ。ここ日本においても、彼らは数々の伝説を生んできた。彼らが初来日を果たしたのは2000年のフジ・ロック・フェスティバル。2012年、さらに大きくなって再出演したのも記憶に新しい。また、2007年のIndependence D、2010年のラウド・パーク、2012年のラム・オブ・ゴッド来日公演サポートなど、数多くの大舞台を踏んでいる。ヴォーカリストのフレディは2013年10月のラウド・パーク13でスペシャル・ユニット“METAL CLONE X”の一員として、マーティ・フリードマンと共演している。
2014年にリリースされたライヴCD/DVD『演武(イェン・ブ)〜ライヴ・イン・フォルモズ・フェスティバル2013』は、2013年8月3〜4日、彼らのホームグラウンドである台北市で行われた“フォルモズ・フェスティバル2013”でのライヴを完全収録。アルバム『武紱(ブティーク)』(2013)と『高砂軍(タカサゴ・アーミー)』からのナンバーを中心としたセットリストで、彼らのホームグラウンドならではの盛り上がりを見せている。この年、彼らはイギリスを代表するメタル・フェス、ダウンロード・フェスティバルに出演。伝統楽器を演奏する楽団、采風樂坊との共演を果たしているが、“フォルモズ・フェスティバル2013”でも再共演が実現している。