'03年、当時ENSIFERUMに在籍していたヤリ・マーエンパー(g,vo)により、WINTERSUNはスタートした。それは彼が'95年から着手し始めていたアイディアを具現化するためのプロジェクトで、当時も今もヤリ自身が全てを司っている。驚くべきは、その作業に没頭するあまり、程なく彼が自らフロントマンを務めるENSIFERUMから脱退してしまったこと。その日からWINTERSUNは、ヤリにとってライフワークとなったのである。
'04年、デビュー・アルバム『WINTERSUN』がリリース。メロディック・デス・メタルの攻撃性、シンフォニック・メタルのスケール感、フォーク・メタルの土着性、パワー・メタルの様式美──その全てを併せ持った劇的&勇壮なサウンドは、瞬く間に世界中のHR/HMファンの心を鷲掴みにした。程なく、レコーディングにも参加していたROTTEN SOUNDのカイ・ハフト(ds)、IMPERANONのテーム・マントゥサーリ(G)、NORTHERのユッカ・コスキネン(b)と共にバンド・ラインナップを完成させたヤリは、翌年からライヴ活動も開始。'06年には、早くもセカンド・アルバムに取り掛かっている。
ところが、完璧主義者のヤリが細部までこだわりにこだわったことで、レコーディングは遅れに遅れ、結局、さらにエピックな完成度を増したセカンド『TIME I』が世に出るのは、『WINTERSUN』から8年余を経た'12年のことであった。しかも同作は、タイトルに“I”とあるように2部作の前編で、予定では後編“II”もその翌年には出るハズが、これまたヤリが納得いくまで作業を続けた結果、それから5年経っても完成にまで到っていない…。'17年7月には、『TIME II』ではなく、全く別のコンセプト・アルバム『ザ・フォレスト・シーズンズ』がリリースされた。
同年3月初頭、バンド自身のスタジオ“WINTERSUN Headquarters”設立のため、クラウドファンディングを立ち上げ、スペシャルなアイテム『THE FOREST PACKAGE』(『THE FOREST SEASONS』は勿論、過去作のリマスター含むアルバム7枚分がダウンロード可能)のオーダーを募った彼等は、わずか24時間で第一目標を達成。Headquartersスタジオが完成したら、そこで『TIME II』の仕上げを行なうのだという。